Integration of CAT and SSTV Interface for Yaesu FT-100 and FT897
(FT-100及びFT897用CAT及びSSTV界面の統合)


Version 1(FT100及びFT897のCATインターフェースケーブルに統合前のSSTV, PSK31及びCW自動送信のための簡易界面回路[第1版])


Version 2(第2版CATインターフェースケーブルに統合[第2版])

1. Objectives(目的)

この界面回路は,八重洲FT-100又はFT897に計算機を接続し,計算機に内蔵するサウンドブラスタ II(SB16)互換の音声入出力回路及びRS-232-C(or ANSI/EIA 232E)出力とを備えた計算機とを接続し,SSTV送受信,RTTY, PSK31,WSJT,WSPR及びCWの送受信,並びに計算機制御を行うことを目的とする。

2. Specification(仕様)

2.1. Functions(機能)

 この界面回路は,サウンドブラスタII(SB16)互換の音声入出力回路及びRS-232-C(ANSI/EIA232 E)出力とを備えた計算機とを接続し,次の事項ができる。
  1. SSTVプログラムの配下で,SSTV映像の送受信を行う。
  2. RTTY/PSK31のプログラム配下で,PSK31の送受信を行う。
  3. コンテストプログラム(CT,DXbase2000など)の配下で,CWの自動送信を行う[DTRによってPTT制御]。
  4. 計算機制御プログラム(MixWなど)の配下で,無線機の周波数及びモードの連動を行う[CATインターフェースケーブル利用時。第2版]。

2.2. Signal Lines(信号線の制御)

2.2.1. Data Terminal Ready(送信制御信号)

]  計算機は,送信制御信号として,COM1:~COM4:によって指定されるポートRS-232-CのDTR信号の+3V以上(平均+8V)によって送信となり,-3V以下(平均-8V)に よって受信とする。この界面回路では,無線機側の送信制御線(-PTT)を送信時に接地し,受信時に開放する。 この信号線の最大流入電流は18mA,接地時の最小電圧は0.6Vとする。 この最大電流値及び最大残留電圧は,この回路を他の無線機に接続する場合,その電流値規定を満足するかいなかを確認されたい。
Notes(備考):計算機の操作系W9xの起動時には,この信号が一時的にオンになる場合がある。したがって,計算機との間にRS-232-C切り替へ器があることを想定している。

2.2.2. Receive Data(受信信号線)

 無線機からの受信信号は,計算機のLine-in端子(左チャンネル)へ入力する。その最大電圧は,pp1Vとする。 その音量調整は,操作系Windows-xxに付属する音量調整による。
Example(例):ライン入力のボリウム目盛:中央。左右バランス:中央。

2.2.3. Send Data(送信信号線)

 計算機からの送信信号は,計算機のLine-out端子(左チャンネル)から出力する。その最大電圧は,pp1V とする。その音量調整は,操作系Windows-xxに付属する音量調整による。
Example(例): ボリュウムコントロールのボリウム目盛:中央。左右バランス:中央。
Notes(備考): 計算機のLine-out端子の直流電圧は,0Vに近いことを想定している。もし,計算機の Line-out信号の直流電圧が高い場合,直列に10uF(20V),無線機側でアースとの間に2.2Kオーム(1/8W)を挿入して直流を遮断する。

2.3. Noise Reduction(雑音抑制)

 計算機のRS-232-C(ANSI/EIA232E)及び表示装置は,アマチュア無線周波数に対して雑音を放射することがあるので, 界面回路の線に貫通形フェライトコア43材2個による共通様相フイルタを設け, 300オーム/25MHzの阻止力を付加する。ただし,高周波回り込み対策は,当面,実施しない。

2.4. Circuit Diagram(回路図)

See Figure 1.

SSTV_FT100.jpeg
  Figure 1. Circuit Diagram of SSTV Interface for Yaesu FT100 and FT897

Notes(備考):ここでは,Yaesu CATインターフェースケーブル(CT-62)に並列に接続する部分図を示す。
計算機の左右音声入出力線のうち,3.5mmミニプラグ(ステレオ形)の先端(左)を使用しているが,3.5mmミニプラグ(モノラル)によって,右チャンネルを短絡させても実用上の支障はない。

2.5. Wiring Diagram(実体配線図)


ここでは,Yaesu CATインターフェースケーブル(CT-62)に付加する部分だけを示す。[See Figure 2]

SSTV-IF-523.jpeg
Figure 2. A Part of the Interface cable

3. How to Connect with(接続方法)

3.1. CAT Interface Cable(無線機側へのCATインターフェースケーブルの接続)

 無線機FT-100の背面から出ているデータ入出力ケーブル(miniDIN8jack)に,丸い形の8ピンの接栓を接続する。

3.2. For Radio Equipment(無線機側へのデータ入出力線の接続)

 無線機FT-100の背面のdata端子(miniDIN6jack)に,回路図左側の丸い形の接栓を接続する。

3.3. For Computer(計算機側の接続)

3.3.1. Modified cable(改造後のCATインターフェースケーブルの接続)

 計算機のRS-232C切り替え機の一方に四角い9ピンの接栓を,方向を合わせて,押し込む。 この接栓は,計算機のRS-232-C接栓に直接押し込んでもよい。

3.3.2. Receive Data(受信信号線の接続)

 計算機の音声入力メス型端子(Line-in)に,Line-inのオス型端子(白色)を挿入する。

3.3.3. Send Data(送信信号線の接続)

 計算機の音声出力メス型端子(Line-out)に,Line-outのオス型端子(赤色)を挿入する。
Notes(備考):SP出力端子は,出力が大き過ぎるので,それに送信信号線を直接接続してはならない。 

3.3.4. Noise Filter(雑音抑制フイルタの位置)

 計算機からの電波雑音の放射抑制及び無線機からの回り込み予防のために二つのフェライトコアを貫通している。できるだけ,計算機に近い位置に移動する。

4. Radio Equipment Setting(無線機側のパラメタ設定)

4.1. Submission and Modes(電波帯及びモード設定)

 Frequency(周波数):SSBモードの周波数(SSTVの場合,FMモードでも送受可能)
 Type of Wave(電波形式):LSB/7MHz, USB/14MHz, USB/21MHz,USB/144MHz, USB/435MHzなど SSTV(F3F),PSK31(G1B)又はCW(A1A)を送れる設定にする。
なお,29MHz以上の周波数帯でSSTVをFMで送っても同じF3F形式となる。 

4.2. Input volume of Radio Equipment(無線機入力音量調整)

PSK31(電波形式:G1B)は,位相変調を利用していて,過変調を嫌うことから,無線機への音声入力水準を必要最小限度に抑える方が 受信端での解読率が高くなるし,占有帯域幅が小さく収まる。そのため,この界面を使用した場合,FT-100のメニュー27 番COMP LEVEL(工場出荷時の初期値=50)を0とし,28番のAFSK LEVEL(工場出荷時の初期値:50)を10に設定し直した方がよい。

Yaesu FT897の場合,Menu 037(DIG GAIN)を10,Menu 038(DIG MODE)をRTTY-L, RTTY-U, PSK31-L, PSK31-U, USER-L, 又は USER-Uの適切なモードを選択し,モードボタンでDIGを選択する。

Notes(備考):YAESU FT-100(及びFT897)のデータ端子のAFSK入力に計算機出力を接続しているので,AFSKlevelは 計算機出力の水準を調整することになる。
ここで,今,AFSK(音声周波数偏移キーイング)ではなく,位相変調(Phase shift)だなどと考えると, 音声入力調整機構の有無を見落とす。ここでは,AFSKを単に端子識別記号列として捉えられたい。

5. Computer Setting(計算機側の設定)

5.1. Push To Talk[PTT](送受信系への送信制御信号指定)

 PTTとしてDTR信号とRST信号とが選択できる場合,DTRを選択する。

5.2. Cat Parameters Assignments(CATパラメタの指定)

通信速度=4800BPS,データ長=8ビット,パリテイビット=なし,ストップビット=1,Port=1(これは環境による)などを指定する。 特に,Yaesu FT100のCATの通信速度は4800BPSに固定されていることに注意が要る。

6. Results(実使用と感想)

アマチュア無線統合環境として,WindowsXP機にMixW(version 2.17)を載せ,無線機と計算機とを連動させながら,PSK31,CW,SSTVなど多数のモードで動かしている。記録ソフトウエアもMixWに統合されていて,その交信記録に無線機の周波数及びモードが自動的に複製される。CWは,解読機能もあり,他の交信を自動聴取させながら,“E”(単点一つ)と“T”(長点一つ)とだけしかない[モールス符号でない]交信,きれいに解読できる手のきれいな人とを比べて楽しんでいる。筆者としては,この自動解読機能でも読み取れる符号の送出を修練したいと感じている。

7. Related Links(関連リンク)

  1. Interface Circuit for SSTV, RTTY, PSK31, WSJT or WSPR(一般無線機での静止画・データ伝送のための界面回路, HTML file)
  2. Consolidation of Audio Interface and CW keying Interface for WSPR, WSJT, CW, PSK31, RTTY and SSTV(音声回路とCW送出との統合,XMLfile)
  3. Consolidation of CW-Keying using OIKey-F88 keyer(キーイングの統一,OI-Key-F88の一利用例, XMLfile)

8. Histry(履歴)

  1. 2009.05.24, Add Related Links(関連リンク追加)
  2.  

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