2001年
廣東語：
監督：周星馳(ﾁｬｳ･ｼﾝﾁｰ)
脚本：周星馳(ﾁｬｳ･ｼﾝﾁｰ)、曾謹昌（K.C.ﾂｱﾝ）
製作：楊國輝
撮影：馬楚成
音楽：許願（ｸﾚﾗﾝｽ・ﾎｲ）
美術：何檢雄
衣装：葵彦文
武術指導：程小東
製作会社：星輝海外有限公司（香港）
香港公開：０１年７月
出演：周星馳(ﾁｬｳ･ｼﾝﾁｰ)、呉孟逹（ﾝ・ﾏﾝﾀ）、黄一飛、谷徳昭（ﾋﾞﾝｾﾝﾄ・ｺｯｸ）、田啓文（テイン・カイマン）、莫文蔚（ｶﾚﾝ・ﾓｸ）、
☆（解説）
周星馳映画の最新作にして最高傑作と言ってしまっていいでしょう。
２００１年に香港で公開され、それまでの記録を全て塗り替える大ヒット。
カンフーとサッカーの融合というのは以前にも「チャンピオン鷹」（古いな〜ユン・ピヨウの、、）とかも
あったりして、それにCGの再新技術をふんだんに、、、、というだけならハリウッド大作の作りが容易に
想像されますが、そうではありません。
星仔の映画の基本はあくまでもストーリーがある娯楽映画。派手な特撮は使うもののあくまでも
映画を面白くするための手法でしかありません。
今回、個人的には「ドラゴンへの道」のオマージュなんではないかと思う程、ブルースリー映画の
基本をふまえた構成になっていると感じましたね。
周星馳映画では初の快挙！と言える全国拡大ロードショーが決まっています。ブレイクして欲しいです。
ソレに加え香港のアカデミー賞とも言われる“香港電影金像奨”で最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞を含む最多 ７部門を受賞！です。おめでとう！
☆（ちょっと物語）
“黄金の右”と呼ばれるサッカー選手のファンは、チームメイトのハンが持ちかけた八百長試合に荷担したことがきっかけで、自慢の脚を折られてしまう。20年後、かつての立場は逆転していた。サッカー界の首領として君臨するハン（パトリック・ツェー）と、ハンの雑用係に身を落としてしまったファン（ン・マンタ）。
彼は青年シン（チャウ・シンチー）と出会う。少林拳を信奉するシンは、くず拾いをしながら少林拳を熱心に説いて回っていた。
後にファンは、ひょんなことから、以前シンが蹴り飛ばした缶がレンガ塀にめりこんでいるのを発見し、シンの恐るべき脚力に気づく。プレイすることはできないが、サッカーへの想いでは誰にも負けない…。サッカーへの情熱を取り戻したファンは、サッカーチームをつくることをシンに持ちかけた。敬愛する少林拳を広める良いきっかけになると思ったシンは、かつて少林寺で修行した兄弟をスカウトして回る。
果たして少林チームの運命は？そして勝利の行方は…。
★（感想）
「食神」以来、近作が少しだけ元気が無かったので心配していましたが、こんな傑作を作ってしまわれ
たんですね。とにかく全ての人に観てもらいたいです。誰が観ても分かる内容だし、決して内輪ギャグは使わず、映画のストーリーはきっちりしている、スポ根映画の王道を行くストーリー、、、すなわち、駄目な奴が努力の末、最後には勝利するという流れを踏襲しつつ、サッカーというキャッチ−な題材を上手く生かしたストーリー展開です。
またこの映画、メンバーは全ておっさんです。（笑） こんな地味なキャラクターをメインに据えるとこ
が凄い。監督は永年の盟友ン・マンタのおっちゃんだし、、メンバーのひとり田（テイン・カイマン）氏
は「食神」にも緑頭のチンピラ役で出ていたけど、実は星仔の会社の社員さん（笑）
また、僕ら世代にはゴールキーパーがブルース・リ−まんまなのが爆笑です。、、彼はただ単に
ブルース・リ−に似ているだけという理由でオーディションに選ばれたとか、、、「死亡遊戯」の
トラックスーツ着てるし、、
個人的には周防正行監督の「シコふんじゃった」の影響が見て取れると感じました。様々な個性あるキャラクターを配し、それぞれの特徴や見せ場を作っていく、、、特にデブ君の扱いなど結構似てますよね。
そして、その一見ダメに見える主人公達が実はどんどんと力をつける、、、、という一般観客が最も感情移入
しやすいもっていきかたを上手く使っています。実は星仔、夕張ファンタに「チャイニーズ・オディッセイ」
を持って来日した際に周防監督と対談していて「弟子にしてください」などと言ってるのです。
この映画がどれくらい日本でブレイクするのかまだ分かりませんが、配給会社もかなり力を入れてくれ
ているようで、まさか周星馳の映画の広告が「ぴあ」にカラーで２ページも出てくるなんて夢にも
思いませんでした。
映画とはこんなにおもろいもんなんだと言う事を今のキッズに是非観て欲しい映画であります。テレビで
やってる内輪うけのギャグより数百倍考えられたエンターテイメントがここにあります。必見！！！
★★★★★
備考：
2001年香港映画興行収入第1位
関連リンク
少林サッカー公式ページ