佐賀県唐津市湊町 七つ釜(七ツ釜)
- 海底遺跡守るダイバーの輪(96年10月12日日本経済新聞夕刊より)
玄界灘の荒波が打ち寄せる佐賀県唐津市の景勝地「七つ釜」。その海底には弥生時代から江戸時代の土器や陶磁器が散乱する。大陸との交流にかかわる物もあると見られている。
この水中の遺物を守るため、ダイバーたちが活動を始めた。地元でダイビングのガイドをする浪口志郎さん(49)は六年前に初めて白磁わんを発見し、これまでに二十五点を引き揚げた。
保存の必要性を感じ、市教育委員会に働きかけ、今年一月、この場所は遺跡埋蔵地「七つ釜海底遺跡」として認められた。浪口さんらは、遺物の保護をする一方「ダイビングの新しい楽しみ方を提供したい」とダイビング客を遺跡に案内している。
陸上では「山内丸山」など考古学の発見が相次いでいるが、水中となると国内には専門家が少なく、取り組みも遅い。ウオーターフロント開発などで遺跡が失われる危険性もある。
福岡市の海底遺跡を調査した「九州・沖縄水中考古学協会」の林田憲三会長は「もっと海の中の遺跡に目を向けてほしい」と訴える。「多くのダイバーが七つ釜遺跡を見てどんな物かを知ることで、新たな水中遺跡の発見につながるかもしれない」。ただ、遺物を持ちださないなど、ダイバーのマナーの徹底も必要だろう。
- 遺跡保存,ダイバー結集(96年8月6日日本経済新聞朝刊より)
佐賀県唐津湊町の海中調査を実施
弥生時代から江戸時代の土器や陶磁器片が海底に散乱する佐賀県唐津市の”七つ釜海底遺跡”を保存しようと,ダイバーを中心にした守る会が発足。8月から遺物の散乱を防ぐ一方,水中考古学の魅力を広めるため,一般のダイバーに実際に海中調査を体験させたり,周辺の遺跡を新たに調べるなどの活動を始めた。
ただ文化財保護法などによって遺跡にてを加えることは許されず,地元漁協などとの調整も必要。このため守る会の会長は”調査に関する一般ダイバーには文化財に対する十分な知識と意識の向上を求めたい”と話している。
YouTube動画で見る七つ釜とめがね岩
七ツ釜
七ツ釜(七つ釜)の遊覧は,「マリンパル呼子」の遊覧船をご利用するのが便利です。
または陸路でも岩場まで近づくことができます。
YouTube動画で見る七つ釜とめがね岩
○唐津市湊町のご案内