ショート・ショート

こたつにて
「おいしいコーヒーのいれ方」より

ぽかぽか、ぽかぽか。
こたつは温かいなぁ。
ぽかぽか、ぽかぽか。
綾乃ちゃん帰っちゃたし、丈と母さんも出かけちゃったし。
わたしは優雅に午後の紅茶。
ぽかぽか、ぽかぽか。
静かだねぇ…
ぽかぽか、ぽかぽか。
あ、台所からショーリが戻ってきた。
ショーリ、ここ、ここ。
ぽんぽんとわたしの隣を叩く。
ん、なんか変な顔してる。
なんか変？
「い、いや、そんなことないぞ」
じゃ、座りなさいよ。
座ったショーリに身体を預ける。
へへへへへ……温か〜い…ん〜すりすり。
「おいおい、かれん。猫みたいだな」
そうでーす。わたしはこたつ大好きの猫で〜す☆。
すりすりすりすり。
「かれん、おまえ酔ってるな？」
む、何をおっしゃる。わたしは酔ってませ〜ん☆。
紅茶飲んで何で酔えますか？
「じゃぁ、そこのブランデーのビンは何だ？」
これ？これはお母さんのイギリス土産だよ。
香り付けにちょぴっとだけ入れたの。
「結構減ってるように見えるのだがな…」
気のせい、気のせい、気にしちゃ〜ダ・メ・ヨ☆
「はぁ〜しょうがないなぁ」
ん、分かればヨロシイ。
すりすりすりすりぃ〜


ぽかぽか、ぽかぽか。
こたつは温かいなぁ。
ぽかぽか、ぽかぽか。
ショーリも温かいなぁ。
ぽかぽか、ぽかぽか。
なんか、すごく幸せだよ〜ショーリィ……





この後、帰ってきた丈に見つかって冷やかされたのはまた別のお話。
でも、私、何してたんだろ？
＜こたつにて（了）＞

＊ ＊＊＊＊＊後書き＊＊＊＊＊＊＊
暖かな電車の中でウトウトしていてふと思いついてから
構想1時間、執筆2時間の計3時間という超スピードで
書き上げてしまいました。ついでに即日掲載！
なぜって？こっぱものは時間が経つと恥ずかしくて消したくなるからです（爆）。
＜01／01／28　初稿UP＞