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お馬鹿SS
8行目の○劇
「おいしいコーヒーのいれ方」より
狩野雅明
Up:2001.4.21 Sat


〜・警告・〜
この作品は読む人によっては非常に不愉快な気持ちになる可能性があります。
特に、村山作品を神聖化している方、一切の冗談が通じない方、星野りつ子ファンの方は読むことを勧められません。
「これも世界の1つ」と割り切れるココロの広い方のみお読みください。
以上のことをここに警告します。
以後、この作品を読み不快な気分になられても当方は一切関知しないことを明言します。
本作品作者 兼 SS化計画管理人 狩野雅明


お馬鹿SS
「緑の午後」80ページ8行目の○劇
「おいしいコーヒーのいれ方 IV 緑の午後」より

「和泉くん…」
彼女は潤んだ瞳で僕を見つめた。
「星野…」
彼女の放つ只ならぬしかし心地よい興奮を呼び起こす気配に動くことも出来ず、ただ唾を呑み込む。
「和泉くん…私を……抱いて…くだ…さい…」
頬を桃色に染め、自らの台詞に羞恥心を押さえ切れず僕から目をそらす。
僕は何も応えられずに立ち尽くすだけ。
「駄目…かな…」
そ、そんなことはないよ。そう言いたいのに声が出ない。
言葉がカラカラの喉を滑り落ちていく。
「私、そんなに魅力がないかな…」
悲しみを含んだ声が耳朶を打つ。
そんなことない、そんなことない!!
無反応な僕の態度に彼女は意を決して服を脱ぎ捨てる。
「和泉くん…」
何も隠すモノのない上半身を僕の眼前に晒す。
腕で胸を隠してしまいそうになるのをスカートの袖を掴むことで必死に堪えながら僕を見る。
「和泉くん…私…わたし…綺麗…かな…」
想いを伝えたくて、健気に、一途に、被虐的な姿に耐える彼女。
その瞳から落ちる何処までも透明な一雫。
それは呪縛を解く魔法の清水。
「綺麗だ、綺麗だよ。星野…」
「あぁ…あぁ…和泉くんっ」
歓喜を身体全体で表すように彼女は僕に抱き着くと唇を重ねる。
強く、激しく、お互いを貪り、侵しあい、歓喜と悦楽の螺旋を描く。
「お願い…私…もぅ…」
星野は理性のタガが外れた熱い視線と共に物欲しげに身体を僕に預けてくる。
「星野って意外とエッチだったんだな」
ほんのりと赤みを帯びた彼女の耳を甘噛みしながら優しく囁く。
「あぁ…そんな意地悪なこと言わないで…」
羞恥に耐えながら僕の胸の中で肉欲の戦慄きに震える彼女がどうしようもなく愛しい。
彼女の放つ甘い甘い吐息に応えるために僕の手を彼女のスカートの中に入れる。
彼女の下腹部を包む薄い布地の感触を楽しむように尻から前へと手をゆっくり回す。
星野は僕の胸に顔を埋めたまま、僕のされるがままだ。
彼女の僕の手の動きに敏感に反応する姿は僕の雄性を刺激する。
どうやってもっと感じさせてやろうかとどす黒い肉欲の嗜虐心が沸き起こる。
彼女のもっとも敏感な所は彼女の高ぶりをそのまま体現したように隆々と起立していた。
………………
…………
……
隆々?
当てた手を触ったモノの形を確かめるように動かす。
「あん☆そんなに激しくしないでぇ……」
星野の鼻に掛かった甘い声も無視して感触を確かめる。
こ、この馴染み深い形と感触は…………
「☆!*+@?#%&?!?!」
声にならない声を出しながら光の速さで星野から離れる。
「あぁぁん…お願い…やめないでぇ……」
お預けをくらった雌犬が切ない声で鳴く。
その声は男の嗜虐心を焚き付けるのに十分な力を持っていたが僕の驚きはそれを遥かに凌駕していた。
「ててててててにっ手に、手に、股間が、股間が!!!お、お、おお前の股間にぃ!」
どうしたの?という顔から「あぁ」と合点がいったのか自分の手で下着を脱ぐ。
ブ、ブリーフですか?
「だって、女性モノのシューツだと納まりきらなくて☆」
お、収まらないんですか!?
星野はスカートの裾を摘み、持ち上げた。
そこには………御立派な息子さんがいらっしゃいました。
「和泉くんとおそろい☆」
おそろいって…あなたの方が立派ですよ…哀しいけど。
「お前、男だったのかっ」
「あれ?言ってなかったけ?」
「言ってない!聞いてない!!男だなんて言ってないだろう!!!」
「あら、はっきりとは言ってないけど、それとなく伝えてはいるわよ」
「いつ!」
「ほら、お正月に公園でかれんさんとのことを話したじゃない。そこで、男運が悪いって言った時よ」
思い出してみる。確か…
『だけど、うちってなんでこう姉妹そろって男運が悪いかねえ』
って言ってたよな。
「私、あの時に
『だけど、うちってなんでこう きょうだい そろっておとこうんがわるいかねえ』
って言ったじゃない」

……きょうだい…ですか?
「兄弟?」
「ええ、姉弟(きょうだい)よ。さぁ、続きをしましょう。い・ず・み・くん☆」
甘えた声で星野は僕にしなだれかかった。
「い、いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
僕は叫んだ。叫ぶしかないじゃないか!
***********
*******
*****
***

「ってところで目が覚めたんだ……」
「何よ、それ」
一緒にパスタをつついていた星野は怒ったような、あきれたような目で僕を見た。
「何って、今朝見た夢」
「そうじゃなくてっ、どうして私が男なのよ!何考えてるのよっ信じらんない!!」
凄い剣幕で怒り出す星野。まぁ、当然か。
星野はくどくどと僕を非難しつづける。反応が過剰すぎないか?
「星野…」
「何よ」
「おまえ、男じゃないよな?」
「なっ…何言ってんのよ…そそっそそそそそんな分けないじゃないっ」
……じゃぁ何故目が泳ぐ?
「星野…首筋、剃り残し」
「え、嘘っやだ!そんなっ…あぁ…嘘、嘘っああぁんシェーバーだけで済ませたのがいけなかったのかしら!やぁぁんっ」
何だか、理解したくない台詞を吐きながら星野は男子トイレに駆け込んだ。
そう……男子トイレに。

星野とはいい友達でいよう…そうさ、僕はかれん一筋なのさ。
浮気はいかんよな、浮気は。
虚無感漂う心の中でそう決意するのだった。

(「緑の午後」80ページの8行目の○劇 おわれ)


****あとがき****
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
ほんの出来心だったんです。魔が差したんです。
電波が書けと言ったんですぅぅぅぅぅ……
「姉妹」が「きょうだい」とルビを打たれていて思い付いてしまったんですよ。
しょーもない思い付きです。笑ってやってください。
"○劇"としたのは、これを読んで○に当てはまる言葉をいれもらうためです。
喜劇でも悲劇でも歌劇(笑)でもOKです。汝の感じるままに。
< 2001/4/14 初稿 UP >



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