村山作品ＳＳ化計画/ありがちなエピソード？/狩野雅明

S.S.S
ありがちなエピソード？
「おいしいコーヒーのいれ方」
狩野雅明
Up:2002.7.6 Sat

ショート・ショート・ショート
ありがちなエピソード？
「おいしいコーヒーのいれ方」より

ある冬の日のひとコマ。
綾乃を連れて散歩に出たかれんとショーリ。

同じく散歩に来ていた老夫婦とちょっとお喋り。

「おや、可愛いお子さんだねぇ。ママ似かな？」
とかれんを見ながら老紳士。
「いえいえ、パパ似ですよ」
とショーリを見ながら老婦人。

動揺するあまり妹であり親戚の子であることを説明できない二人。

老夫婦と別れてぽつりとかれん。
「私達、夫婦に見えるのかな？」
「…らしいな」
「ちょっと、うれしい…かな…」
「え、何か言ったか？」
「ん、なんでもないよ。寒くなる前に帰ろ。ねっ」

家路を行くその姿は近い未来のビジョンであるかは神のみぞ知るのでした。

＜劇終＞

＊＊＊あとがき＊＊＊
本作品は「海の見える書店から」のBBSに2001年2月13日付けで書きこんだ
落書きを加筆修正したものです。