テラスからの陽ざしが店内にひだまりをつくる。


「あの向日葵かっこいいよね」

「あー海、行きたいなあ」


食器の音、挽きたての豆の香り、お客さんの会話。

穏やかな表情で壁の写真達を見てくれている。


「それ俺が撮ったんだー」

こころの中でつぶやく。


「俺は青。胸の黄色とのコントラストがいいじゃん。」

「えー、黒の方が似合うよー」

3パターン作ったオリジナルTシャツをカップルが指さす。


周りの会話をなんとなく聞きながら

明日のDJの流れを組み立ててみる。


いつの間にか外は暗くなり、店内には淡い照明が灯る。

顔見知りになった常連さんが店に入ってくる。


レジで会計を済ませた女性が、ふと壁を見て

ふらふらと吸い寄せられるように、写真に近づいていった。

時計を気にしながらも熱心に見てくれている。

思わず声をかけて、個展のハガキを渡した。


その晩、HPの伝言板に彼女からの書き込みがあった。


帰りかけた時、始めて写真の存在に気づいて

とても魅力を感じました。

こんなことは、あまりない事なので興奮しています。

明日またゆっくり見に行こうと思っています。


そんな内容が記してあった。

とてもうれしい個展期間中の出来事のひとつである。