海に続く道


空に続く道


海と空とが溶け合うところへ



強烈な光のコントラスト


風が吹き抜ける


一歩一歩、歩く


何者かと一緒に歩く


土の匂いがする



ぎらつく光が移動して、影が収縮してゆく


闇の密度が、いっそう濃くなる


別世界への入り口が至る処で口を開ける


踏み外さないように


一歩一歩、歩く


風が吹き抜ける



圧倒的な生命力に取り囲まれる


歩くたびに風景に同化する自分を感じる


時に美しさは言葉を押し戻す



強さ


切なさ


眩しさ


おおらかさ


全てを引き連れ歩く



風が吹き抜ける


なんという懐かしさ



魂が旅立った白い珊瑚が


シャラシャラと昔を回想する




潮風を思い切り吸い込む


海になる


空になる


海と空とが溶け合うところへ