タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!


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第2回

 渡米の決意と、出発までの多難な日々 ■


昨夜から冬期オリンピックソルトレーク大会開催ですね!
ガンバレ日本!!
でもこんな時しか国旗を振れない日本も不憫ですが、
この事に関しては後日、本文で。

では第2回、始まり〜!


<行け!>

しばらく(1カ月くらい)
日常に追われ渡米計画を忘れていた。

そんなある日、
レギュラーの仕事が1本減り、暇を持て余しテレビを見ていると、
なんとニューヨーク関連の番組に出くわしてしまった。

それも1度ならず3度も! 
これは「行け!」という
神か仏か御先祖様の御告げなのか?

中でも、番組名は忘れたけど
深夜にニューヨークで写真の勉強をしている日本人や
他4、5人を紹介したものを見た時、
眠っていたハートに火がついた。

ネットで情報を調べ捲った。
現時点では3ヵ月以上長期滞在するには学生ビザ以外にない、
写真のカレッジに入学するには2年間で400万!
生活費を入れると〜?
トーフルスコアー550以上必要、なんてこった!!

道は、語学学校に行き、向こうで方策を練るしかない
と朝6時に判明、
財団法人にコンタクトをメールでとってみる。

その日の仕事から戻り、メールチェック。
早速、担当者から返事があり、
こちらの希望に沿った学校のデーターやらホームページアドレスやらを
こちらの不安を和らげるごとく丁寧に記されていた。

だんだん具体的になってきたぞ!

「もう今を逃したら行けないだろうなー。」

考える事1時間、
(深くは考えていない、ただ踏ん切りをつけただけ)
結論はゴー!

12月中旬の夜更け、勢いに任せ、
入学の意志を伝えるためメールを送る。

案の定、翌日には
担当者から入学日はいつにするかなど問い合わせがあり、
いつからが良いか思案。

確定申告済ませて
税金取り戻してからじゃないとなー。

「3月から御願いします。」と打診。
期間が余りなかったらしく、
先方が面喰らったみたいだったが
3月3日のひな祭りに日本を離れる事が決定!

あとは金の工面、身辺整理、確定申告
ビザの取得、航空券の手配、関係各位への連絡、
これからの方が大変、どれから手をつけるか?

<多難な日々>

そういえば、まだ誰にも報告してないかった。
親、友人、仕事関係者なんと言うべきか?

忘年会では親しい人には一応御報告したが、
みんな酔っぱらていて、こちらの決意の程を
覚えているか不安なので書面で報告する事にした。
面と向かって言うのも
寝言ととられてしまいそうなので、取り敢えず。

正月に実家に2日間、
預ってもらう写真機材、本やらを積み
マイカーとの最後のロングドライブと思いながら
大阪まで帰った。

親になんと言われるか不安だったが、
おやじ曰く
「良いね!よく決心した。
 どのくらい行くの、何処に住むの?」
などあれこれ聞かれ、反対どころか歓迎ムード。

少し歯ごたえの無さを感じる。
親の反対を押して出ていく方が、
駆け落ちみたく燃えるのに。

東京に帰り
「さばける物は捌いて身軽が一番!
 持っていけるものも限られるし。
 滞在費の足しにするぞ!」
と意気込む。

売る物と、預ける物、捨てるものに分け
徐々に仕分けと同時に確定申告など事務処理、旅支度をする。

しかし分別中に「アレアレこんな物出てきたよ」と
手がとまる事しばしば。
これは、出発前日までかかってしまう。

1月中旬に確定申告の書類を書き終えるが、
予想以下の還付金に愕然。
本や、引き出物の食器など売れそうな物を物色し始める。

ビザの手配も観光ビザと違い、
自分で英文で、
何故アメリカ合衆国で勉強したいかなど渡米の動機を書き、
大使館にパスポートなど書類と共に提出しなければならず、
辞書片手に額に汗しながら1晩がかりで仕上げ、
虎の門の大使館に持っていく。

守衛が立っている横のポストに投函するのだが、
そのポストがいいかげんな作りで
なんかパスポートを他人に抜き取られそうで不安を感じる。

後日速達で来ると言う事だったが
1ヶ月発っても来ない!

余りの下手な英文に拒絶されたか!!
など下らぬ憶測をする。

一応財団に添削を受けて大丈夫だったし?
と思いながらも問い合わせオロオロする。

数日後、郵便屋さんがこちらの胸の内も知らず、
「速達です、判子下さい。ハイこれ。」
あまりな淡白さに
「なんなのこれ?アメリカ大使館?」じわじわと感動。

待ってろよニュ−ヨーク!ヤキモキさせやがって。

2月に入って大体片が付いてきた。
引き延ばし機、大型ストロボなどアマチュアの人は買わない
これらの機材は、
どこも引取りたがらず買い叩かれてしまうので
後輩のカメラマンに無料リースということで預ってもらう事した。

あとは車、家財道具を捌き金にするだけ、
2月28日さらばマイカー、4年間ありがとう!

しかし買い取り価格が安かった!
粘る事3時間、5万円アップでこちらもギブアップ。
予想の3分2の値段で買い取られていった。
トホホ。

出発前々日、家財道具を買い取りに業者が来た。

冷蔵庫は¥2000、電子レンジ¥3000等の調子で、
「これママレンジじゃなくて、本物だよ!」
と言いたかったが
この期に及んで残していく訳にも行かず、

「俺の家財すべて、わずか¥60000足らずなのか」

とガランとした部屋が
自分の力のなさを象徴するかのようで・・・。


(つづく)




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