タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!


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第7回

 初めての授業!…なんで俺ここにいるの? ■


ちあき なおみの歌に
(古すぎ?しかしオオガガのメンバーには解るはず)
「あれは半年前〜」というフレーズがあったけど、
昨日でテロアタックから半年。

ニューヨークでは追悼セレモニーがいろいろと行われたけど、
おそらくその模様は日本にも流れていると思うのでカット。
しかしながら今もなお、復旧作業は続いているし、
それにまつわる写真展も引き続き行われている。

特に「Here is NewYork」という写真展は
プロ、アマを問わずテロアタックに関する写真を提供し、
それを$25でそのギャラリーがネットなどで販売する。

その売り上げは犠牲者の子供などに寄付するというプロジェクトで、
半年経った今月からはAftermath その後ニューヨークがどう変わり、
どう影響を受けたかという事に焦点を当て直し開期を延ばした。
この掘りさげ方には感服したね!

でもって以前とは別のその後のニューヨークを
6点寄贈してきましたよ、どこの誰が買うかしらないけど?

では、そろそろ続きを

**************

あれは1年前〜、教室の扉を開けると、
そこにはアジア人と思われる人種数人と
ヨーロッパ系と思われる人種が数人、
計12人程がすでに座り、
前では先生と思われる30半ばの小柄なアメリカンが
すでに自己紹介をしていた。

「アー、アイムソリートゥ ビーレイト」と
カタカナ訛りの英語で詫びをいれる。

フレンドリーに「イッ オッケー」
とか言うのかと思いきや、クールな態度!
あんたアメリカ人? 出鼻をくじかれた。

その後ペラペラと喋っているが
何を言っているか半分も解らない!

キョトンとしているうちに俺の自己紹介の番らしい。
どこから来て、何をしているのか、
どのくらい滞在するのかを取りあえず言う。

そのあと向こうからいろいろ質問されたが、
何を聞かれたか全く思い出せない。
頭、真っ白状態だったから。

他人の自己紹介を聞く内に、
「とんでもないクラスに入ってしまったのでは?」
と自覚しはじめた。

他に4人居た日本人は、
1人の男性は今春から外資系コンピューター会社に内定が決まっている新卒者、
もう一人の男性も今春から銀行に勤めるらしい、
あと二人の女性はすでに6ヵ月ここで勉強しているし、
もうひとりは学生で英文科。

アレーなんで俺ここにいるの?

とクラス分けの紙を何度も確認した。
まだ半信半疑なのでリストも目を盗んでチェックしたが、
チャンと在った。

大学とかの入学試験ならラッキーなことだろうが、
ここでそんな事になってもナァーと、自分の狂った運を呪う。

さっそく授業が始まって、
文法は高校程度だが、それを英語でやられると全く手強い。

今だから笑えるが、
日本では現在完了、現在完了進行形などはもちろん
単数、複数形なんかの基本の言葉さえ英語では習わないでしょ。
先ずそこで躓く。
(ちなみに単数 Singular 複数 Plural と言います。)

耳をダンボにして聞くがわからない。
テキストを読むのは聞き取れるが、
文字がなくなるとオーマイゴッド!!
神様仏様状態。

運悪く両サイドの席が異人種なので
聞くに聞けない。

解らなかった言葉をノートに書くが、
これまたスペルが定かでなく、辞書を引くのも手間取りそう。

4時間の授業であったが、あっという間の時間に感じた。
「そういえばこんなに集中して授業受けた記憶ないな〜。」

昼からの授業がコワイ!
午後からはスピーキングだから!

しかし、こんな事でヘコんではいられないと思う、
男マイティーなのであった。

(つづく)





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