タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!


>バックナンバー


第9回

 続2001.9.11 〜非現実的な現実と認識!〜 ■


3月22日、Here is NewYorkより
メールで写真を寄贈した全てのカメラマンが対象に
パーティーの案内が届いていた。

今年度の(注1)コーネルキャパ賞を
受賞しての事だそうだ。
この賞は国際写真センターが前年の優れた個展に対して贈り、
アメリカでは権威のある賞の一つだ。
4月1日エープリルフールに開かれる。

(注1:コーネルキャパ;ロバートキャパの弟で兄同様、報道カメラマン、
   ニューヨークに国際写真センターを設立、写真ギャラリーと教育機関を持つ)

一応、冗談ではないと記してあるが、
はたして?(This is not a hoax.)
タキシードに身を包んだ人たちばかりだったら帰ってきますが、
後日、御報告するつもりです。

ところで国際写真センター(ICP)は
現在通っている学校の一つで
今年よりロケーションをタイムズスクエアの近くに変え
立派なたたずまいだが、
おかげで受講費が高くなったのはいただけない。

なんと、1年間のフルタイムの学生になるには
年間$17000の授業料でとても無理なので
自分の必要な授業だけを申し込む
パートタイムの学生で参加しています。

勉強するのは金がかかる、
あらためて親のスネをかじっているうちに
真面目に勉強しておくべきだったと後悔しています。

専門学校とは違い、スキルアップのために
プロの人たちが多く参加していて刺激的です。
凹むことも多々在りますが。

ここは今年の夏までで一通り受けたい授業は終了。
後は売り込みに精出すつもりですが
ビザの事もあり果たして・・・。

************************

ではここから
セプテンバーイレブン第2話です

家に帰り、部屋の窓からワートレの煙を確認。
普段、ワートレの影も形も見えないのに
巨大に膨れ上がった煙は
その建物の存在を上回ってしまったのだ。

※アパートの窓からの風景

テレビを見るが2と4チャンネルしか映らない。
コマーシャルも自粛でなし。
ノンストップでニュースを流している。
(注2:CBSのダン・ラザー御苦労さまでした。)

ニュースを見、様々な映像を目の当たりにし
改めて非現実的な出来事と認識する。

同じ人間がした仕業とは・・・。

折しも、パールハーバーから60年の年で
映画も上映されており、
市民のコメントの中に、
この事件をパールハーバーと同じ行為だと
受け止めている人たちがいる事に吃驚した。

20世紀以降、アメリカが領土を攻撃されたのは
パールハーバーと今回のみだが、
同一と見なすのは余りに短絡的ではと思った。

翌日12日、朝。
部屋の窓からワートレの煙りがまだ見えている。
一向に治まる気配がない。

学校は12日よりミッドタウンに場所を移し再開された。

昨日、早めに来ていた生徒の中には
1機目の突入を目撃している者もおり、
学校上空より進入したと言っていた。

避難する途中では
ビルから飛び下りる人を目撃した者もおり、
その光景にショックを受け、
もうここには居たくないと言っている。

ともかく皆の無事を確認できた。

しかし4機の飛行機の乗客、ビルで働いていた人たち、
消防士、警察官など
いったいどれだけの犠牲者が出てしまうのだろうか?

あの日よりニューヨークは変わった。

いつもマンハッタン上空を行き交う民間機は
戦闘機に変わり、
街に軍用車、警察車両などを
目にすることが溢れる。

行き交う人々、自家用車、消防車、パトカー、
ビル、地下鉄、バス…
至る所で星条旗を目にする。

街角では
星条旗のバッチ、旗、シール、ワートレのTシャツが
飛ぶように買われて行く。

果ては、ラディンTシャツ、
生か死かと書かれている物まで売られていた。
(コレは売れ行きがいまひとつ?)

駅のターミナルには行方不明者のはり紙で溢れる。
エンターテイメントはしばらく中止され、
街中半旗が掲げられた。

2週間、テレビはニュースのみ。
タイトルもATTACK ON AMERICA, AMERICA STANDING、
AMERICAN FIGHT BACK などに変わって行く。
愛国心を巧みに盛り上げているのである。

もし日本で同じような事が起きてしまったら
我々は同じように日の丸を掲げ、
胸に日の丸バッチをつけるのだろうか?
普段気がつかない愛国心に火が付くのだろうか?
これはとても危険な事だと思う。

今回アメリカのマスコミは、
ある種の煽動行為を買って出てしまったのでは?
案の上、反対の声も余り聞かれず、戦争へ突入。

現在、新聞のアフガン関連記事は
情報操作があるように思う。
使われている写真はどの新聞も同じ。
ベトナムの二の舞いは避けたいのであろう。
(ベトナム戦争でマスコミにより沢山の情報が報道されたため反戦運動が起きた。)

アメリカのジャーナリズムに憧れて
こちらに来た身には辛い。

ただ、落ち着いた今、
ブッシュのこれらの政策に意義を唱える
ジャーナリストもいることを付け加えます。

ところで、学校は徐々に生徒数が激減、
特に日本人が激減した。

テロ、炭疽菌騒ぎに不安を感じた親が呼び戻したからだ。
実際、物々しさはあったが
直接日常生活においては変化はなかった。

「日本でどのように報道されたかは知らないが、
 心配し過ぎだよ日本人は!
 親にニュース見るの止めろと言っとけ!」
とよく言われる。
他の国の生徒は途中で帰国した人はいなかったと思う。

また、米国政府が入国ビザの発給を制限した御陰で
入学して来る学生も減り、後に11月リストラが敢行された。

観光客も当然減少。
深刻なワートレ不景気が吹き荒れた。
特にチャイナタウンは
観光客の減少の煽りをもろに受け未だに厳しいらしい。

しかし最近3月に入ってから
日本人の観光客を目にする機会が増えてきた。
卒業旅行などだと思うが喜ばしいことだ。
まだ寒い日もあるけど、
少し変わったニューヨークを見るのは
今しかないのだから。

※寄贈2点(flag on nail, 921thanks pd)
プラス本文に関連する写真等を添付しました。
テロアタック以降のニューヨークPART2
↑をクリック!



[マイテイ−井上Jrの自己紹介]

[トップへ]