タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!

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第26回
 果報は寝て待て ■

日本滞在も大詰めになってきた。

自分でいうのもなんだが、
今回を入れて2回目の帰国になったが、良い季節に戻ってきている。
食べ物が美味しいということと
天候も過ごしやすいということで。

だからホームシックではないが、あまり離れたくないのである。
どちらが過ごしやすいかと言えば、断然日本だ。
ビザの事を気にせず生活できるし、
仕事にもありつける、保険で治療もできる。

帰って来る度に向こうでの生活の不憫さに閉口してしまう。
じゃあ、「帰るのを止めれば」と言われれば、
「それは出来ない!!」としか言えない。

明確な答ではないが、
「まだ写真家としてやるべきことがある」なんてね!
「じゃあ、やるべき事とは何か?」
それは、いま進めている次の個展の撮影を完成させるため、
今をどう感じ、どう写真で表現するかを
自分で明確に把握し写真にして行くことだろう。

仕事抜き、金勘定抜きで写真を撮る事の難しさを
職業写真家として身に摘まされたのだから。
自分をストイックな方向に持っていかないと
何もやらない不精な自分を知っての選択だったが、
本音は帰りテ〜〜!

まあ、日本に帰ってきて仕事をいただく材料を揃えておく
という意味においても必用となる事だが。

ところで、郵便奪還作戦に成功後、あとは待つのみ
「頼みまっせ神様、良い子でいますから無事ビザがとれますように!」と、
お祈りするや否や。新たなる悩みの種が。

やっぱり始まってしまったイラクとの戦争が・・・。

予測はしていたものの、そうなると
やはりビザの受領までは時間がかかる恐れがあることは必至。
「ア〜〜、滞在費がかさむ!
こうなったら長期間実家に戻り、やり過ごすしかない!」
この事態に頭をグルグル回転させる。

「当然帰国日は変更、ぎりぎりまで待って航空会社に電話をいれるべきか?」とか
「向こうの家賃の支払いをどうする」とか「居候できそうなところは何処だ」
とか変更によって生じそうな問題を考える。

しかし「まあ、これが今までの俺の人生だ〜!」と思い、
あれこれ考えてイライラするのを止めた。
どうせ考えてもその通りになった試しがないからだ。

受験の時も傾向と対策を練ったところで見事にハズレ落っこちるし、
好きな娘をどう攻略したら良いか考えたところで成功した試しもなく、
むしろ大失敗の連続、自分から言って成功率0%の実績だからだ。
まだまだこの類いの話に尽きない人生を送ってきた。

しかし、俺にはジンクスがある。
何も考えず、何もしない方が良いことが起きる
というジンクスが...。

とりあえず、ヘドロ岡林邸に暫く居候させてもらう交渉を急ぐ。
もし拒んだら、奇人の正体を暴くまでは信用できないとか、
さらなる調査が必要だ、とヘドロの面白がることで許しを乞うしかない。
家人が眠りから覚め、正気を取り戻したのを見計らってから
このことを言うことにする。

ヘドロ氏の答は「いいよ〜」
しかも軽い感じで。

こちらとしては「ムーー・・・、仕事あるけどいいよ・・・。」
ぐらいのリアクションを想定していたのに。
まあ、前での話と重なるが一時が万事取越し苦労である。
ヘドロ氏の快くも軽い返事に安堵する。

そんな折、ライターのA氏より
「仕事しない?」という話を貰う。
ジンクス健在!何も手を打たなくて良かった!滞在を延ばす甲斐があるというものだ!
ブラボージンクス!サンキュージンクス!果報は寝て待て!

そんなこんなで待つ事こと週間弱、
懸念をよそに、アッサリとビザが実家に届いた
という朗報を受け取ったマイティーであった。

最初の(戦争開始前の)予想を上回るスピードで・・・。



(つづく)





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