タイトル■ニューヨーク貧乏 〜金が尽きたら、さようなら〜
書き手 ■マイティー井上Jr

現在ニューヨーク在住のフォトグラファーによる
貧乏生活報告を含めた、ニューヨークの今を伝え
る身辺雑記です。あくまでも1個人のみの視点で
お送りするエゴイズム通信であります。「
セプテ
ンバーイレブンで激減した観光客を1人でも多く
ニューヨークへ呼び戻したい!そんなピュア−な
気持ちもありますよ」という、そんな企画です!

>バックナンバー


第41回 
 9月11日とダースベイダー ■

テロ以降2回目を迎えた9/11。
前夜には追悼の青い二筋の光線が夜空を再び照らし人々の記憶を呼び起こす。
はかないその光線を自分の記憶にとどめる為、夜空に向けカメラを構える。
わずかな時間であったが、その間に数人から入れ代わり声をかけられた。

犬の散歩がてらの人は「また、あの日が来るね。」と溜め息混じりに呟き
またある人は「生々しい記憶は次第に癒され振り返るだけの余裕ができた。」
と言って夜空を見上げていた。

日常的には忘れていてもこのようなメモリアル・デイなどによって
人々は記憶を呼び覚ます。
しかし、日本の原爆記念日、終戦記念日は単に行事となってしまった感がある。
出来事だけを記憶しても意味がない、その時何が起きたか、なぜ起きたか?
これからどう予防処置をとり回避するかを問わないと意味がない。

今回、PBS(日本でいうNHK)が放送した
「フロントライン・信仰と不信 グランドゼロ」は、
それらの事を問いかけたとても良い番組で
プロデューサーのヘレン・ホイットニーはただ事件の悲劇性を伝えるだけでなく、
9/11の原因の根底にあるスピリチュアル(信仰、精神、人間心理)に焦点を合わせ、
これら一連の出来事がなぜ引き起こされたかを各宗教の神学者、聖職者、心理学者、
人間行動学学者、作家、芸術家、タワーからの生存者、犠牲者の家族、友人など
様々な角度からのインタビューを交えこの問題をひも解く糸口を我々に与えてくれた。

1)番組は9/11事件の検証、その後の影響からはじまり、事件の悲劇さ悲惨さ
  人に与えた影響などを紹介。インタビューの中には当日、タワーから手をつなぎ
  飛び下りたカップルを撮影したフォトグラファーなども登場した。

2)「神はあの日何処に居たのか?」「あのような事件を与えた神とは?」
と神に対する信仰と不信に喘ぐ聖職者、タワーで亡くなったイスラム教信者や
   消防士の家族、などへのインタビュー   
  
3)ブッシュ大統領が連発する名詞evil(悪、邪悪、人間悪)。
  果してこの「evil」とは何なのか?
  ブッシュが演説の中で「悪の枢軸、悪の根源、オサマビンラディン」と言った事
  に対し、アメリカの帝国主義、アフガン、イランへ派兵したアメリカも同じく悪
  ではないのか・・・とも問うている。

  宗教者、心理学者、芸術家、ホロコーストからの生還者など様々の立場から悪と
  いう得体のしれない人間に潜む「evil」の力を探る。

4)人間にとって宗教とは何なのか?
  今回の事件の根底にある宗教問題、宗教が人間にもたらす善と悪の力
  アルカイダによりジハード(聖戦)という、神の名の元に行われた同時多発テロ。
  その後のアメリカによる世界秩序の回復、テロ撲滅を謳い行われたアフガン、イ
  ランへの攻撃。どちらも正義の為に行われたが、どちらが正義なのか・・・。
  パレスチナ紛争などの宗教戦争。宗教は人間に何をもたらすのか?  

5)そして、エピローグ
  手をつなぎながら飛び下りたカップルの行動を宗教、人間行動、心理などの見地
  からなぜそのような行動に至ったか、またなぜ人間は宗教、主義の違いからかく
  も残酷な行為に走るのかなど人間の不可解さを提示して終わる。
  
  5部構成の番組であった。
   詳しくは下記URLへ
http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/shows/faith/

この番組を見終わって
人が邪悪な道に走るのは「スターウォーズ」の優秀なジェダイ騎士だった
ダースベイダーが暗黒面に引きづり込まれていくのに似ているな〜と思った。

怒りを上手くコントロールすることが邪悪の道から逃れる手立てのようだが
いざ、自分の身内が同じような目に遭ったら
果してその怒りを上手くコントロールできるのだろうか?

怒りの感情が悲劇の源だが怒りを押さえ、
怒りなしにどのように相手と組みせばよいのだろうか・・・?
相手が非を悟るまで待つしかないのだろうか・・・?


(つづく)





[マイテイ−井上Jrの自己紹介]

[トップへ]