intro-ISO-HTML,Latest updated 2015.07.17

ISO-HTMLについて

NCALS


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  1. 概要(abstract)
  2. ISO-HTMLとW3CのHTML 3.2との相違
  3. ISO-HTML SGML宣言
  4. ISO-HTML 実体集合
  5. ISO-HTML 文書型宣言
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1.概要

 ISO-HTMLISO/IEC CD 15445 Information Technology - ISO-HTMLの概要をIETF HTML 2.0(
NCALS-HTML) 及びW3CのHTML 3.2勧告 との差分を中心に述べる。 備考 この内容は,ISO/IEC JTC 1/SC 18 N 5679(1997-04-02), ISO/IEC CD 15445 の"1.1 Differences between the Committee Draft and W3C HTML 3.2"を日本語に(公用文 の記法及びJIS X 4151のSGMLの用語に従って)若鳥が翻訳した ものである。 この内容は,ISOの審議によって技術内容が変化する。    なお,日本国のISO/IEC JTC 1/SC18(文書処理及び関連通信)    は,このISO-HTMLに対して,W3CのHTMLのままとせよと投票 した。 なお,W3Cは,HTML4.0を投票中である。

2.ISO-HTMLとW3CのHTML 3.2との相違

 ここでは,ISO/IECのHyper Text Markup Language(ISO-HTML) と
W3C(World Wide Web Consorsium)のHTML 3.2との相違点を述 べる。

2.1 言語ISO-HTML

この委員会案(CD)によって規定する文書型定義名は,W3CのHTML 3.2勧告に よって規定した"HTML"ではなく,"ISO-HTML"とする。

2.2 IETF RFC 2070の取り込み

 この委員会案(CD)は,W3C HTML 3.2に対して,IETFのRFC 2070によって規定 されたIETF HTML国際化の機能を追加した。 この委員会案とそのIETFのHTMLの国際化仕様とは,次の違いがある。 a)その国際化仕様は,そのDTDに対して,ICADD固定属性を用意して変換を容易に できるようにしている。これらの機能は,W3C勧告のHTML 3.2に含まれていない ので,この委員会案には含まれていない。もし,それが必要ならば,その"addon" 界面を使用して含めることもできる。 b)W3C勧告のHTML 3.2は,引数実体"%font;"中に要素<STRIKE>,<U>,<BIG>, <SMALL>,<SUB>及び<SUP>を含む。これらの引数は,国際化仕様には,含めれて いない。結果として,<SUB>及び<SUP>は,IETFの国際化仕様によって言われる "(#PCDATA)"ではなく,"(%text;)+"という内容モデルをもつ。 備考1. この委員会案中では,IETFの引数実体"%font;"は"%physical.styles” によって置き換え,引数実体"%phrases;"は"%logical.styles;"によ って置き換えている。 c)引数実体"%logical.styles;"に,要素<DFN>及び<Q>を追加した。W3Cの勧告 HTML3.2によって"%phrase;"に含まれている<DFN>及びIETF国際化仕様によって 導入されている"<Q>"が,DTDの役目の明確化として,この委員会案の引数実体 "%logical.styles;"に追加した。 d)属性値名"center"の代替として,"centre"を許容する。両者には意味の違い はない。

2.3 文書化要件の充足

 この委員会案は,ISO 8879:1986(SGML)の15.5"Docmentation Requirements" を忠実の守って構成する。

2.4 <XMP>,<LISTING>及び<PLAINTEXT>の不採用

この委員会案では,W3C勧告によって望ましくないとして分類された次の機能, すなわち,要素の<XMP>,<LISTING>及び<PLAINTEXT>を提案しない。同じように 反対された水平タブ文字は,SHORTTAG及びUSEMAP機能の利用によって,間隔文字 一つに自動的に置換する。

2.5 <HTML>,<HEAD>及び<BODY>の開始タグ及び終了タグの省略禁止

 W3C勧告の文書実体<HTML>並びに主要な要素である<HEAD>及び<BODY>の開始 タグ及び終了タグの省略は,この委員会案では許さない。

2.6 要素<DIR>及び<MENU>の削除

要素の<DIR>及び<MENU>は,無視した。その理由は,実際上,要素<UL>の構文を 単に甘くしただけに過ぎないからである。

2.7 要素<CENTER>の削除

要素<CENTER>は,要素<DIV>のある特別な場合であることから,削除した。

2.8 参照終了記号"refc"の系統化

DTD中での引数実体は,系統的にrefcである";"で終端させる。refcの省略に 対する考慮は,文献[Gol90,9.4.5 p.352]参照。

2.9 ISO 所有者識別子の指定

 SGML規格のすべてのISO市有者識別子は,"ISO 8879:1986"とする。文献 [Gol90,10.2.1.1 p.383]参照。 [Gol90]:Charles F.Goldfarb. The SGML Handbook. Clarendon Press, Oxford University Press, Walton Street, Oxford, first edition, 1990.

2.10 <FONT>及び<BASEFONT>の不支援

この委員会案は,<FONT>及び<BASEFONT>への直接的な支援をしない。 それらが必要な場合,それら(原委員会案に記述欠落)の利用によって,規定 できる。

2.11 の追加

 この委員会案では,DTDによって用いられる要素<NOP>及び属性<NOP>を規定 し,使用しない界面に対する内容モデルを構文的に正しいことを保証する。 この要素及び属性は,文書中に利用されることを意図していない。

2.12 <BODY>のインライン体裁属性及び<HR>要素の削除

 IETF RFC 1866では準備されなかったが,W3CのHTML 3.2では追加された<BODY> のインライン体裁及び要素<HR>は,この委員会案から削除した。 これらが必要な場合,"addon"界面をつうじて含められる。

2.13 名前と値との分離子";"の必す化

形式的符号化媒体型中の名前/値の分離子として,文字";"の利用がIETFの RFC 1866によって推奨されているが,この委員会案では必すとする。

2.14 頭部と体部の見出しの入れ子

IETF RFC 1866によって推奨された要素<H1>から要素<H6>によって同定する 節(section)は,この委員会案では正しく入れ子とすることを必すとする。 この仕様は,<H1>から<H6>として定義している頭部(header)及び最小化要素<B1> から<B6>によって定義される本体(body)とをもつ節の意図を正規化する。 すなわち,DTDによって,強制的に節を正しく入れ子にする。この技法は,著者に 対しては節の体部要素の開始タグ及び終了タグを省略できるようにし,これに よって,これまでの作成系を利用できるようにする。引数実体"%body.content;" は,"%section.content;"に名前を変更して,その意味をより明確に示す。

2.15 要素<IMG>の属性ALTの必す化

要素<IMG>中において,W3CのHTML 3.2勧告では極めて重要と考 えられ任意選択となっている属性ALTは,必すとする。

2.16 要素<IMG>の属性のWIDTH,HEIGHT,HSPACE,VSPACE及びBORDERの削除

要素<IMG>中において,IETF HTML2.0では存在しなかったがW3CのHTML 3.2 勧告で導入された属性のWIDTH,HEIGHT,HSPACE,VSPACE及びBORDERは,削除した。

2.17 要素<INPUT>の属性ACCEPTの削除

 IETF RFC 1867によって提案された要素<INPUT>の属性ACCEPTは,この委員会 案では含めていない。

2.18 要素<INPUT>中のインライン体裁属性群の削除

 IETF RFC 1866によって規定された要素<INPUT>中のインライン体裁属性群は, この委員会案には含めていない。もし,それらが必要ならば,"addon"界面経由で 含めることができる。

2.19 場所取り要素の<SCRIPT>及び<STYLE>の置き換え

 場所取り要素の<SCRIPT>及び<STYLE>は,head.extend界面技法によって置き換え それらが定義された時点でそれらの機能を追加できるようにする。

2.20 文字集合を符号化文字集合に置き換え

要素<TEXTAREA>の仕様中,W3CのHTML 3.2勧告での用語"character set"は, IETF RFC 1866での規定のとおりの用語"coded character set"に置き換える。

2.21 要素<A>の属性のURN及びMETHODSの削除

IETF HTML 2.0にありW3CのHTML 3.2勧告にない要素<A>の属性のURN及びMETHODS をこの委員会案から削除した。それらが必要な場合,"addon"界面をとおして 含めることができる。

2.22 要素<HR>の属性のNOSHADE,SIZE及びWIDTHの削除

 要素<HR>の属性のNOSHADE,SIZE及びWIDTHは,削除した。これらは,体裁票又は hr.addon界面の利用によって追加できる。

2.23 要素<LI>,<OL>及び<UL>の属性TYPEの削除

 W3C HTML 3.2によって規定された想定する提示体裁を与える要素の<LI>,<OL> 及び<UL>の属性TYPEは,この委員会案に含まない。それらが必要な場合, これらの要素に対する"addon"界面をつうじて含めることができる。

2.24 要素<APPLET>を<OBJECT>に変更

 W3C HTML 3.2勧告に現われる要素<APPLET>の位置にW3Cの要素<OBJECT>を 用いる。 要素<OBJECT>の次の機能の仕様は,この委員会案に含めれていないが,その"addon" 界面を利用して追加できる。 (a)要素<SHAPE>,<COORDS>及び<ISMAP>の追加による形成領域に対する要素<A>の  拡張。 (b)形成領域の利用の表示に用いる属性SHAPES。 (c)インライン体裁属性のWIDTH,HEIGHT,BORDER,HSPCE及びVSPACE。

2.25 入れ子の”位置合わせ"の規定の追加

 "位置合わせ"(justifying)は,現在の左限界及び右限界に相対的な水平位置を 決める属性ALIGNをもつ要素とする。それが入れ子の場合,位置合わせ要素は,最も 中側の対象に優先権を与える。指定可能な値は,引数実体によって定義する。

2.26 要素<CAPTION>,<IMG>,<OBJECT>及び<TABLE>の属性ALIGNの値の関係

要素の<CAPTION>,<IMG><OBJECT>及び<TABLE>は,現在の文面(text)の 基線(baseline)及び限界群に関する位置を定義する属性ALIGNをもつ。 これらの要素のそれぞれは,そのALIGN属性に対して別な指定可能値 ををもつ。要素<TABLE>の属性ALIGNは,特別な省略時値"left"をもつ。 これは,HTML 3.2の文面では要求しているがHTML 3.2のDTDでは強制されて いない。

2.27 実体"%%form.content;"及び"%form.text;"の追加

 実体"%form.content;"及び"%form.text;"を追加し,"%form;"は "%form.fields;"と名前を変更する。

2.28 "空”の内容を禁止する実体群の規定の追加

 次の実体は,空の内容を禁止する: <ADDRESS>,<BDO>,<CAPTION>,<DT>,<H1>..<H6>,<MAP>,<OL>,<P>, <PRE>,<SELECT>,<SPAN>,<UL>,%logical.style;及び%physical.styles;

2.29 構造化DTD

完全な構造化DTDにすることによって,文書の論理構造の正確な仕様化する ことができる。 ISO-HTMLの詳細を次に示す。
  1. ISO-HTML SGML宣言
  2. ISO-HTML 実体宣言
  3. ISO-HTML 文書型定義
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