・・・ 散切物(ざんぎりもの) 差金(さしがね) 三姫(さんひめ)
・・・ 時代物(じだいもの) 所作事(しょさごと) 襲名(しゅうめい) 定式幕(じょうしきまく) 新歌舞伎(しんかぶき)
・・・
・・・ 世話物(せわもの)
・・・ 曽我物(そがもの)

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散切物 ・・・ 明治4年に出た断髪令(ちょんまげを禁止)の為に散切り頭(髪を後ろに撫で付けて
固めた髪形)が多くなり、歌舞伎の舞台にもその風俗を登場させる芝居が出るように
なった。世話物の一種ではあるが、当時のいわゆる現代劇と言える。
河竹黙阿弥などが書いた「水天宮利生深川」(すいてんぐうめぐみのふかがわ)(通
称:筆幸)や「島鵆月白浪」(しまちどりつきのしらなみ)などが代表作といえる。
差金 ・・・ 鳥や虫、物などが飛んでいるように見せるために、鯨のひげで作った黒の細い棒の
先に取り付けて、黒衣が操る。 歌舞伎では黒は見えないものという約束事がある
ので棒も操る黒衣も無いものということにされる。
「これは誰かのさしがねだ。」という言い方はここから来ている。 
舞踊では「鏡獅子」や「吉野山」の蝶、芝居では「楼門五三桐」(さんもんごさんのき
り)の鷹などが代表的。
三姫 ・・・ 女形が演じるお姫様役の三つの大役。
「本朝廿四孝」の八重垣姫、「鎌倉三代記」の時姫、「祇園祭礼信仰記」(通称:金閣
寺)の雪姫は、特に演じるのが難しいとされ、三姫と呼ばれる。
他に「三女房」(「本朝廿四孝」のお種、「傾城反魂香」のお徳、「義経腰越状」の関女)
「三婆」(「本朝廿四孝」「信州川中島合戦」(通称:輝虎配膳)の越路、「近江源氏先
陣館」の微妙、「菅原伝授手習鑑」の覚寿)と呼ばれるものもある。
時代物 ・・・ 武士や貴族の生活を扱った芝居。(庶民を扱ったものは世話物という)
鎌倉時代以前の出来事(または江戸時代の出来事でもそれを昔の出来事として時代
を移したもの)が題材となる。ただし全くのノンフィクションではなく、江戸の風俗習慣
が入ったりしたない交ぜの物がほとんど。
歌舞伎は一日にいくつもの作品が上演されるが、その最初に時代物を持ってくるので
「一番目物」ともいう。
(世話物は二番目物と呼ばれ、時代物の後、中幕と呼ばれる舞踊または舞踊劇を挟
んで上演される。 最後に大喜利と呼ばれる若手などの舞踊で一日が終る)
所作事 ・・・ 歌舞伎舞踊でストーリーというより動きに重点を置き、長唄等を伴奏としたものを言う。
所作台と呼ばれる舞台を普通の舞台の上に置き、その上で踊る。この所作台は足の
すべりがよく動きやすい為に使われる。
襲名 ・・・ 芸名を受け継ぐことを言うが、歌舞伎の場合はその家(例えば市川団十郎家、尾上菊
五郎家など)の芸も継承することが多い。 立役の名を襲名したら必ず立役でなくては
ならないというわけではない。また、必ずしも血筋がつながっている者が継承するわけ
ではなく、江戸時代は息子がいても優秀な弟子がいればそちらに名を譲るということは
ままあることだった。 今は大名跡は身内が継ぐことが多いが、子供のときから先代の
芸に接し、継承しやすいという理由もある。
定式幕 ・・・ 歌舞伎の定番とも言える三色に染め分けた幕。茶・緑・黒を縦に並べるがその並び方
は劇場によって違う。 この幕は緞帳のように機械で上下させるのではなく、人間が
左右に開け閉めする。その微妙なスピードが歌舞伎の雰囲気をいっそう盛り上げる。
新歌舞伎 ・・・ 明治の中頃から、それまでの座付き作者による脚本を上演していたのを改め、外部の
作家に脚本を依頼することもし始めた。 この外部の作家による作品を新歌舞伎と呼
んだ。 坪内逍遥の「桐一葉」を初めとして、岡鬼太郎、岡本糸奇堂、菊池寛、長谷川
伸、真山青果、宇野信夫、舟橋聖一、大仏次郎、北条秀司、三島由紀夫などがいた。
世話物 ・・・ 時代物という武士を扱った芝居に対して、庶民の生活を描いた芝居を世話物という。
江戸時代の生活を扱った、当時のいわゆる現代劇と言える。
一日の芝居の組み立ての中で時代物の後に演じられるので「二番目物」という言い方
もされる。
世話物の中でも特にリアルに当時の生活を描いたものは「生世話」(きぜわ)と言う。
また時代物と世話物が混じった芝居は「時代世話」と呼ばれる。
曽我物 ・・・ 元禄期以降、曽我兄弟を題材とした芝居が数多く上演されるようになった。 源頼朝
の家来工藤祐経に父親を殺害された曽我十郎・五郎が、富士の裾野で仇討ちをした
事件を題材にして作られた作品群を「曽我物」と言う。
江戸三座の初春興行には必ずと言っていいほど上演された「寿曽我対面」を初めとし
て、「助六由縁江戸桜」(通称:助六)、「扇恵方曽我」(通称:矢の根)、「正札付根元
草摺」(通称:草摺引)などがある。