・・・ 長唄(ながうた) 奈落(ならく) 鳴物(なりもの)
・・・ 人形振り(にんぎょうぶり) 21世紀歌舞伎組(21せいきかぶきぐみ)
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長唄

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歌舞伎音楽には長唄・義太夫(竹本)・常磐津・清元・浄瑠璃などがある。この内、長
唄、浄瑠璃は「唄い物」、義太夫、常磐津、清元は「語り物」と分類される。
この中で長唄は元々歌舞伎から発生し、下座音楽を担当する代表的なものである。
下座音楽として演奏される時には、舞台下手の「黒御簾」の中でされ、観客からは
その姿は見えないようになっている。舞踊の伴奏として演奏されるときには通常は
舞台正面の奥に緋毛氈を敷いた二段の台を置き、上段に唄と三味線、下段に囃子
が並ぶ。(舞踊の演目によって舞台正面ではまずい場合は上手側に斜めに台を置い
たり、左右に分かれて台を置いたりもする)
三味線は細棹という高音が出るものを使う。
演奏には「合方」(あいかた)という下座で弾くもの、「めりやす」という俳優の演技に
合わせて自在に長くも短くも演奏するもの(布地の「めりやす」は伸縮がきくところから
こう名付けられた)、「大薩摩」という舞台上で立ったまま演奏するものなどがある。

奈落

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「奈落」とは梵語で地獄という意味で、舞台や花道の地下にある空間を指す。昔は
日の当らない地下は薄暗く、地面を掘ったままなので湿気の多いまさに地獄のよう
な場所だったところから名付けられたらしい。
昔はせり上げ(花道に空けられた穴から役者が出てくる趣向)の台や、廻り舞台(舞
台の中央が円形に切られていて、その部分が廻るとその上の舞台装置が廻り、場
面転換がスムーズに行われる)などを奈落で道具方が手動で動かしていた。
現在は機械化されて、暗くもなく、工場のような感じも受ける。

鳴物

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下座音楽で使用する楽器。太鼓、大鼓、小鼓、笛、大太鼓などは複数でも単独でも
演奏される主奏楽器。それ以外の太鼓類、銅鑼、オルゴール、拍子木、木魚、木鉦、
竹琴などは複数で演奏される助奏楽器。これらに三味線の「合い方」、「唄」が合わ
さって下座音楽(歌舞伎のBGM)として成り立っている。
もちろん、単なる演奏ではなく効果音として「雨音」「波音」「風音」時には「雪音」など
自然現象も太鼓などの音の使い分けで表す。
幽霊の出現を表す「寝鳥」「薄どろ」なども代表的なもの。

人形振り

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俳優が人形になったような振りをする演技法。人形遣いの黒子が操る真似をする。
「櫓のお七」「阿古屋の琴責」「日高川」などが代表的な演目。立役の場合もあるが、
ほとんどは女形の役が多い。
人形になった振りなので、無表情で演じる。

21世紀歌舞伎組

・・・ 市川猿之助門下の若手俳優を中心として1988年に結成された。
同年1月にパルコ劇場で「伊吹山のヤマトタケル」を公演して以来、いくつもの公演
を行っている。
その名の由来は、猿之助がモーリス・ベジャールの作った、『二十世紀バレエ団』
のように、自分が演出して若い人達を動かして表現する歌舞伎団を作りたかった
ことによる。
始めはスーパー歌舞伎的なものを上演していたが、古典歌舞伎にじっくり取り組む
重要性を重視し、路線を変更して、「恋飛脚大和往来」(梅川忠兵衛)、「仮名手本
忠臣蔵」、「義経千本桜・忠信篇」などを上演するようになった。