里山再生を楽しむ!

まつたけ山
“復活させ隊”の仲間たち

吉村文彦&まつたけ十字軍運動

お問い合わせは

(株)高文研

03-3295-3415
http://www.koubunken.co.jp/

      1600円
+税
<お詫びと訂正>
58 ページ左側のマツノマダラカミキリの幼虫と成虫の
写真は別の虫のものでした。間違っておりましたことを
お詫びし、このPDFに訂正いたします。
プロローグ
今なぜ、まつたけ山を復活させたいのか
―生物多様性の危機は人の危機
生物多様性に依存する一方で破壊に突き進むニンゲン
参加者の数だけ夢がふくらむ
「里山再生のためにまつたけを復活させよう」運動を
「里山はオジさんをテツガクシャに変える」から楽しい

第1章
 瀕死の里山と絶滅危惧種マツタケの叫びが聞こえる

 1.まずは舞台と共演者たちの紹介
   ホストがいないと生きていけないマツタケ
   マツタケとアカマツは「恋愛」みたいな微妙な関係
   解明されていないことがいっぱい
   生き残るために獲得した戦略的パートナー
   「楽しく腹をくくり腰を据えてマツタケを待つ」仲間たち

 2.多様な生物が姿を消し、質が劣化している里山
   江戸中期の「公文書」に出てくる「里山」の呼び名
  「人間活動がアカマツ林を生んだ」
   「近代化」に突き進んだ結果の里山崩壊
   維持方法が面倒な里山林
   一見、緑の量は増えたが中身のやせ細った里山
   全国に広がる痛々しく悲しい里山風景
   私たちは里山崩壊にどう向き合っていくのか
   里山土壌の富栄養化はマツタケの大敵
   マツノザイセンチュウ病が事態悪化に拍車
 3.激減を続ける国産まつたけ
   かつてのわずか90分の1以下に
   発生時期の秋の暑さに弱いマツタケ

第2章
 世界唯一の「岩泉まつたけ研究所」15年の成果

 1.待つ茸、採る茸から「まつたけ栽培」へ
   「ふるさと創生資金」で誕生した研究所
   林業水産課長の熱意に打たれ所長に
   町のまつたけ産業は15倍に急成長
   生命を育むネットワークの構築に向けて
   地元と復活させ隊による新たな活動の場に

 2.里山とマツタケを復活させるのは自由で豊かな発想
   里山復活とまつたけ山づくりをつなぐ
   「まつたけの聖地」での再生市民活動を計画
   軽く楽しみながら、とにかく始めよう!
第3章
 「まつたけ山復活させ隊」いよいよ集合!

 1.愛情かけて山の手入れを続ける覚悟のいる運動
   活動拠点となる「香川山」が借りられた!
   反省したり嬉しくなったりしながら
   仲間に教えられつつ構想を練る

 2.楽しいことが参加者の数だけある運動めざして
   2005年6月16日スタート、平日なのに28名参加!
   毎週1回、雨の日も冬の寒さの中でも集まる
   枯損木は燃やさないと被害拡大は止められない
   秋には25〜30人の参加者で定着
   夢は大きく、広がる仲間たちの輪と和
   あの秀吉以上? のバイオトイレもつくる
   椅子も机も石窯も陶芸窯も小屋も自前でつくる名人、達人揃い   
   My茶づくりでも発揮される熟年の力と柔軟発想

 3.京まつたけ第1号発見に沸く
   香川山に次いで玉城山と澤田山も貸してもらう
   確かに出たことは出たけれど……
   運動の目的を忘れず、手段の整合性を常に自己点検

第4章
 まつたけと日本人の歴史と文化

 1.「秋を味わう」日本独特の食文化
   香りの松茸なのに「嫌なにおい」と学名を付ける国も
   万葉集に見られる松茸狩りらしき歌
   大乱の最中も松茸狩りに
   素晴らしい食べ方がいっぱいあるのに手が届かないものに
   香りを好まない若者も――変化するまつたけ観
   近代マツタケ学を確立したハマネンさんとマツタケの碑
   京都が「まつたけの聖地」といわれるわけ

 2. あの中国が動いた――私の本が翻訳出版された
   中国の官民が都内ホテルで雲南松茸を猛アピール
   「日本の失敗の轍を踏むな」と
   外国産「まつたけ」に依存する日本の事情

エピローグ 互知送さま≠ニ知産知送≠フ心と技を
        ――20世紀型社会の延長では里山再生はない

 1.集う人の可能性を引き出しているマツタケと里山
   作業は「する」ものではなく「楽しむ」もの
   バイオマスを活用して畑の土壌改良も
   互いに知恵を出し合い、伝え合う楽しい「集合知」のネットワークづくり
   まさに人間の生き方が問われている

 2.こんな刺激になり嬉しくなるお隣さんも!
   異分野の研究者たちが夢を語り合い、
      「人類がよりよく生きる」に取り組む「地球研」
   マツタケの目、アカマツの目、里山の目をもって