木呂子敏彦著作集
『鳥の眼・みみずの目』
概 要 |
自分や自分たちの仕事をより良いものにしていくには、自らの立場や位置付けを より的確に知る必要があることは農業も同じ。まさによく言われる「鳥の目・トンボの目・ 虫の目」の“農業バージョン”『鳥の眼・みみずの目』が求められるところであり、農業を 取り巻く昨今の社会的また自然環境がそれを迫っているのではないだろうか。 今年満90歳を迎えた木呂子敏彦氏の、この880ページにも及ぶ著作集は、農業と 郷土への熱い思いで貫かれており、農業問題・土づくり・森づくりにとどまらず、 教育・歴史・文学、さらにまちづくり・村づくりなどに関する長短100編を超す論文や 報告、随想などが1930年代から2003年まで年代順に収められている。「木呂子 ワールド」(杉浦壽・同著作集刊行会委員長の「刊行の言葉」より)ともいえる幅広く、 また迫力に満ちた優れた実践と思索の世界を現出していて、農業はもちろん今日の 日本社会や世界を考える上での、良き「目」や視点を提供してくれる作品集といえそうだ。 木呂子氏は、昭和9年十勝農業学校研究科卒後、シベリア抑留体験などを経て、 戦後すぐの公選制による北海道教育委員を2期務め、昭和46年から3年間帯広市 助役としても活躍。この間、農業分野でも卓越した企画力と持ち前の行動力を発揮し、 昭和34年にスタートさせた「移動村づくり大学」は、北海道だけでなく九州など 全国各地に出掛けて開催し、その参加者はこれまで1万人にも。 また、「森が土を作り水を作る」「水耕思想の土壌肥料学から地球に優しい土壌 肥料学へ」など、どの論文にも、その展開を肉付けし、説得力を深める、実に多くの 関係著作や資料、人名が出ているほか、さらに「木呂子注」まであって博覧強記ぶりは 驚くばかり。300人近い人が刊行を支えたのがうなずける、著者の魅力を 満載した1冊である。 (農政ジャーナリストの会 井上豊) |
編集・発行 木呂子敏彦著作集刊行会
代表 杉浦 壽
事務局 帯広市南町7線26番地
TEL 0155-48-0708
FAX 0155-48-0788
頒価 8,000円
ご希望の方は上記連絡先にお願い致します。
もくじ |
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1930年代〜1960年代 北海道開発二眼レフ論 など 1970年代 土地を生かす農業 はみ出し先生の思い出記 など 1980年代 ブルガリヤ始末記 など 1990年代〜2003年 賢治結縁 流転人生「私のなかの歴史」 など |
随想 もう一人の知事 など 独言独語 注釈 木呂子敏彦年譜 執筆年譜 御礼のことば |