ヒトデ堆肥を1袋単位(18L)で販売開始

4月21日北海道新聞に掲載され、反響がありました。
今までヒトデ堆肥を使用て下さった方々ご意見はとてもいい成果とのご報告を頂いております。
臭いも、堆肥に顔を近づけてやっと土のような臭いがするだけです。宅配もできまーす。

夢がいっぱい牧場・コラム「牧場主の独り言」より抜粋
  天使になった海のギャング

 私の住む北海道十勝の大樹町は、東京23区より広い面積をもつ、人口7000人弱の町である。太平洋に面しているため漁港が2つあり、鮭、鱒、カニ、ツブ貝、北寄貝といった魚介類が豊富に水揚げされる。
 最近、そのツプ貝やカニ、タコの稚貝や稚魚を狙ってオニヒトデが大繁殖し、大きな被害をもたらしている。加えて、捕獲したこのオニヒトデの処分に漁協の人たちはハタと困ってしまった。法律によると、捕らえたオニヒトデは一般廃棄物で、処分には多額の費用がかかるのだ。しかも、オニヒトデにはトリカブトに匹敵するような強力な毒素が含まれている。
 昔、アイヌの人たちは、汲み取りトイレに、このヒトデを投入し蛆虫を殺したり、住宅の周りに敷き並べてダンゴムシなどの侵入を防いだという。陸に揚げられたオニヒトデには、さすがのカラスもカモメも寄って来ない。
 こんな厄介ものの処分に困っていると聞いたとき、肉牛500頭を飼う牧場(「夢がいっぱい牧場」という会社です)のオヤジの私は、ヒトデの毒素成分は、牛糞の発酵によって分解され、無毒化されるとの直感がひらめいた。
 そこで早速、地元の帯広畜産大学の美濃羊輔教授(現同大学名誉教授、植物生理学・植物病理学)に相談をもちかけたのである。
 教授とは20年来の付き合いで、私にとっては師でもあり飲み友達でもある。各種の問題を解決するためのネットワークと知識・情報をもつ人物だ。その教授から、「牛糞堆肥の中に投入したら、微生物の働きで分解・発酵し無毒化する可能性が高いのでは?」とのアドバイスを受け、即実験に入ったのが2000年の2月のことだった。20kgの生オニヒトデを牛糞堆肥の中に埋めたところ、わずか1週間で、あの硬い外皮もすべてきれいに跡形もなく分解してしまった。しかも、発酵による熱が十分発生しているためか、2月の厳冬期というのに(当地は最低気温がマイナス25度にもなる)、堆肥に小さなハエまでがビッシリ群がっているではないか!
 ハエがいるということは毒素がすでに分解されているはず、と嬉しくなった私だが、それでもまだ毒性が残っていては大変と思い、次に植物の発芽試験を試みた。すると見事に発芽、主根は長く毛根もビッシリ生え、実に元気に生長するという好結果をもたらした。
 これに気をよくして、今年4月には100トンの生オニヒトデを大きな堆肥の山(500頭の牛が出す糞尿の量は1日3.5トン。年間だと約1300トンにも及ぶ)に埋め込み、完熱堆肥を作り上げた。この堆肥を市販してはと考え、北海道庁に申請書類を捉出しようとしたら、担当者から「堆肥名はどうするか?」と尋ねられた。家内にネーミングについて相談したところ、しばらく考えた末、「そうねえ…。“天使になった海のギャングがいいんじゃない?」。世の中タメにならないものはないとの思いを新たにした次第である。


2001/12月号 ワイスレダリー社発行アースロケアより

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