――松浦部長は地元自治体の電子化に取り組んでおられるということですが、中国・四国地方あるいは広島県の電子行政化やWeb化の状況はどんな感じですか。
松浦 いままで広島県は83市町村ありますが、“平成の大合併”で、これを2004年中には17市町程度、最終的には10市町程度にまで絞り込む計画です。これは我々にとってはビジネスチャンスでもありますので、いま攻勢をかけているところです。ただ、広島県に関して言えばWeb機能を使った住民サービスはまだまだ閉鎖的と言えます。保守的なのでしょう。従って、腰を据えて取り組む必要があると考え、広島情報産業協会内に県民サービス部会を立上げて、地域企業と共に自治体との接点を増やす努力を行っています。
――自治体は今、電子行政化に向けてどんな課題を抱えているのでしょうか。
松浦 例えば10の構成要素を持つ企業3社が合併するとすれば、10+10+10=30ということにはなりません。恐らく15以下になるでしょう。ところが議員は減っても自治体職員は30のままなんですね。謳い文句は合併することによって住民へのサービスを強化するということになるのですが、なかなかそうはなっていない。そこに我々のビジネスチャンスがある。
――具体的にはどんなソリューションを提供しているのですか。
松浦 一つには、国のe-Japan戦略というものがありますから、それにフィットしたソリューションを提案しています。もう一つは、各自治体はパソコンを導入してはいますが、ではそれをどう活用したら職員、住民に効果的なのかという点がまだまだ見えていない。これに対する一つの答として、住民と連携したシステムを構築している自治体があります。例えば市レベルでは沢山の防犯灯がありますが、それが毎日何処かが切れる。そこで、住民がインターネットを使って自治体に連絡する。その情報は市の共有情報として蓄積され、主幹課の判断を得て自動的に業者に伝達され、防犯灯の修理が行われるというWebシステムです。このようなニッチな出来事は沢山あります。