著作物

●著書
雑誌寄稿
論文

ゼロからわかるオブジェクト指向超入門−Javaで体験するオブジェクト指向
河合昭男著 224頁(付録16頁) 定価2380円(税別)
技術評論社,2014年5月刊
[目次]

[書評]@IT情シスの本棚(7)
プログラミングの納得感が高まる「オブジェクト指向超入門」【2014.5.21】
ゼロからわかるUML超入門−はじめてのモデリング
河合昭男著 192頁(付録16頁) 定価2080円(税別)
技術評論社,2010年11月刊
[目次]

[書評] ITmediaエンタープライズ
情報マネージャとSEのための「今週の1冊」(23)【2010.12.14】

UMLの入門書は既に多数出版され出つくされ、かつてのブームも下火になった感があります。本書に懸ける筆者の思いは...(続き...新刊紹介)【2010.11.8】

[紹介記事]
情報システム学会メールマガジン 【2010.11.25】



ゼロからわかるオブジェクト指向超入門
-Javaで体験するオブジェクト指向

目次

1.オブジェクト指向って何?
2.オブジェクトって何?
3.オブジェクト指向言語って何?
4.UMLって何?
5.クラスとインスタンス
6.カプセル化はオブジェクト指向の原点
7.クラス間の関連
8.継承でクラスを再利用する
9.多態性ってどうやるの?
10.インタフェースって何?

はじめに
 本書はJavaプログラミング基礎を学んだ人が次のステップとしてオブジェクト指向プログラミング技術を習得するための入門書です。
 オブジェクト指向にはプログラミング技術とモデリング技術の2つの側面があり、本書はJavaの例を示しながらプログラミング技術の側面の説明をするものです。モデリング技術の側面として、拙著「ゼロからわかるUML超入門」(技術評論社)を合わせて読むとオブジェクト指向についての理解が一層深まります。
 本書は「ゼロからわかるオブジェクト指向超入門」であり、プログラミング技法の説明の前にオブジェクト指向の考え方の習得を重視します。遠回りのように感じられますが、結局大切なのは基本的な考え方を身につけることです。
 オブジェクト指向を理解するための壁は2つです。最初の壁はクラスとインスタンスの理解です。これはJavaでもUMLでも同じです。第2の壁は継承です。本書でもこの2つをクリアすることに重点を置いています。これで視界が開けます。
 UMLはオブジェクト指向によるモデルの表記法で、Javaとも密接な関係があります。UMLで記述された設計書は、Javaなどのオブジェクト指向プログラミング言語と相性がよく、骨格となる部分をソースコードに機械的に落とすことができます。
 本書の目標は、UMLとJavaに共通するオブジェクト指向の考え方を習得することです。オブジェクト指向+UML+Javaを3点セットとして相互の関連を学べば後は応用力を付けてゆくことです。現場で実践しさらに腕を磨きスキルアップしてください。

2014年3月 河合 昭男

おわりに
 オブジェクト指向の2つの壁「クラスとインスタンス」と「継承」は乗り越えられた筈です。結局は、人間に自然に備わっており子供にでも理解できる集合の考え方に帰することができます。抽象概念など難しい用語は知らずとも同じものをひとつにまとめるという能力は誰にでも備わっています。ここからクラスとインスタンスや継承というオブジェクト指向の概念が自然に出てきます。難解な用語に圧倒され、オブジェクト指向は難しいとあきらめてしまう人がいます。用語は慣れです。考え方は自然なものです。
 後半の多態性とインタフェースはオブジェクト指向のプログラミング技術として強力なものです。前半のオブジェクト指向の基礎部分が理解できればそれほど難しくはなかったと思います。

 筆者の経験ですがC言語を学んだ後C++を学ぼうとしてこれらの壁を乗り越えるのに大変苦労しました。C++など必要ない、Cで十分ではないかとしばらくは思っていました。本書はJavaですが、当時このようなオブジェクト指向プログラミングの超入門書があればよかったと思って書いたのが本書です。本書でオブジェクト指向がやっとわかったというプログラマが少しでも増えれば筆者にとって望外の喜びです。

謝辞
 多数のオブジェクト指向/UML研修を通して受講していただいた方々からたくさんのアイデアをいただきました。本書はそれらの経験を通して初心者向けに「よりわかりやすく」を目指した入門書です。直接・間接に協力していただいた方々、本書出版の機会を与えていただいた技術評論社、終始助けていただいた編集部の皆様に感謝します。



ゼロからわかるUML超入門
-はじめてのモデリング

目次

1.UMLとは何だろう?
2.モデルって何?
3.UMLの前にオブジェクトを理解しよう
4.同じ種類のオブジェクトをクラスにまとめる
5.一番大切なクラス図を理解しよう
6.動きを表現するダイアグラムを理解しよう
7.クラスを分類して整理しよう
8.多態性って何?
9.オブジェクトを分解して内部構造を理解しよう
10.その他のダイアグラムも知っておこう
11.開発プロセスは要求から始まる
12.分析モデルを作成しよう
付録A astah* communityのインストールと使用法のヒント
付録B 解答・解説集

はじめに
 ソフトウェア開発の世界ではオブジェクト指向やUMLは一般常識化してきました。オブジェクト指向は一時的な流行語ではなく、人間の自然な普遍性のある考え方です。何か敷居が高そうですが本書でいくつかの用語に慣れれば壁は取り払われます。
 C++やJavaなどオブジェクト指向言語(OOPL)と相性のよい設計図の表記法がUMLです。オブジェクト指向開発はUMLで設計し、OOPLでプログラミングを行う効率のよい開発技法です。
 本書はタイトルどおりほとんど開発経験のない新人や学生などを対象としています。オブジェクト指向の考え方を身近な具体例で説明し、そのあとUMLに入ってゆきます。最後にビデオレンタルショップの簡単なケーススタディを通してUMLによるモデリングを体験していただきます。
 UMLモデリングツールとしてastah* communityを使用します。本書の付録に操作方法を動画として収録しました。また読者の便宜を図り、途中まで作成した練習用雛型ファイルを添付しましたのでastah* communityによるモデリングを是非体験してください。
 なお、本書はUMLモデリング推進協議会(UMTP)の用語集に準拠しています。UMTPではUMLモデリング技能認定試験を実施しています。本書を読まれたらUMTPサイトhttp://www.umtp-japan.org/で公開されているサンプル問題やUMTP主催の受験対策セミナーなどを活用して是非チャレンジしてください。
 本書をきっかけに、UML、オブジェクト指向の世界への更なる探究心をいだかれ、開発への実践に活用されることを期待します。2010年9月 河合昭男

おわりに
 筆者がなぜオブジェクト指向にはまっていったのか、そのきっかけは美しさに感動したことです。筆者のコンピュータ経験は’70年代のメインフレームOSからです。言語はアセンブラで、デバッグは0〜7の数字のみのメモリーダンプを追いかける作業でした。時代の最先端のソフトウェアの仕事ってなんとなくイメージしていたよりは泥臭い仕事でした。その内にこんなものなのだと慣れてきました。
’90年代前半まだUMLがなかった頃、オブジェクト指向開発の試行プロジェクトで目覚めました。オブジェクト指向方法論百花繚乱の時代で、書店のオブジェクト指向コーナーではOMT法、OOSE、ブーチ法など様々なオブジェクト指向方法論の書籍が平積みにされていて困惑しましたが、OMT法+OOSE法を中心にしました。結局それらが今日のUMLとRUPのベースになってきました。
 本書にも何度も書きましたが、オブジェクト指向の最初の壁はクラスとインスタンスの理解です。これはプログラミング言語でもUMLでも同じです。筆者もC言語からC++への壁は結局これでした。オブジェクト指向がわかったという人とそうでない人が2分されてしまうのもこれです。本書はUMLの入門書ですが、読み終えられた読者はこの後C++/JavaなどのOOPLもそれ程難しくありません。
 本書によりオブジェクト指向/UMLに興味を抱いていただければ筆者の望外の喜びです。2010年9月 河合昭男

謝辞
 多数のオブジェクト指向/UML研修を通して受講していただいた方々からたくさんのアイデアをいただきました。本書はそれらの経験を通して前著「まるごと図解 最新UMLがわかる」をベースに、初心者によりわかりやすく全面書き直したものです。直接・間接に協力していただいた方々、本書出版の機会を与えていただいた技術評論社、終始助けていただいた編集部の皆様に感謝します。





オブジェクト指向と哲学
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~Kawai/
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