その四 西葛西之景

新川や一之江境川などは、かつて農業用水路でした。あたり一帯は小松菜や京菜を生産する野菜の産地でした。

都市化がすすみ、農業後継者が少なくなると、畑は次第に消えて、住宅や高層マンションが立ち並ぶようになり、遥か遠くまで見渡せる広々として、のどかだった農村風景はすっかり変わりました。宇喜田町の一部には古い民家が残っていますが、その姿がわずかに昔を偲ばせるのみです。

今日では、都市計画が進み大規模な公園、体育館、文化福祉施設が次々に建設されて地域の生活環境は一新しています。

古くからあった地域で生活文化の面影は消えましたが、一之江境川は、川岸に葦などが植えられ、川底は自然の泥土になっているので、水棲昆虫が繁殖し、小ブナの姿も見られます。ここにメダカが泳ぎ、ホタルが飛びかう日も近じかやってきそうなほど、自然に近い親水公園に改修されています。

船堀街道と葛西橋通りの交差点の北側には行船公園があります。その中には、釣り堀や自然動物園、江戸川平成庭園があります。

自然動物公園は小規模ですがサルやペンギン、鳥などがいて、子供たちが山羊などと一緒に遊べます。

平成庭園は、築山や池がある回遊式のもので「源心庵」という数寄屋造りの古風な建物があります。