その二十三 赤羽之景

JR赤羽駅の西側にある赤羽台地は、春から夏の季節にかけて、鮮やかな緑に囲まれ起状に富んだ所です。その緑の中にどこもかしこも人工的な建物の住宅団地、団地、団地です。その規模が桁外れなので圧倒されます。しかし、建物は各エリアごとに個性ある構えで出演されていて、バライティーに富んでいます、高層・中層、長形・短形、角形・三角形と、姿、形もユニークです。ここはかつて、旧日本陸軍の施設があった所でしたから、師団坂という名称の坂が残たりしています。赤羽駅西口一帯は、数年前までは混沌とした町でしたが、再開発が進み、大消費地のマンモス団地を控えて、商店街は活気に満ち溢れています。赤羽台地を荒川堤に向かって歩いていくと、農家風の家も混じって一般住宅が並びますが、そこには、昔からの歴史を伝える風情を感じさせる石碑や仏塔などか目にとまります。ここも歴史の古さを象徴するかのように、諏訪神社の祭礼には、地元氏子の人々が、ハッピ姿で威勢よく神輿を担ぎまわる姿があります。更に赤羽稲荷神社の祭礼は歴史が古く、駅前商店街が中心になって行われていますが、とくに4月の「赤羽馬鹿祭り」には、赤羽台の団地人々も多数加わってにぎやかな商業祭りになっています。