その二十六 三領之景

このあたりは、三領水門で荒川とつながる、東西に流れる菖蒲川と北に流れる緑川があります。ここは鋳物の町・川口の延長上で、中小の工場がたくさんあります。戸田市との隣接地には、大規模の製鋼所もあります。もともと農地だった所ですが、無計画に侵蝕するようにして住宅化が進み、工場と住宅が混在している所です。神社のすぐ隣で工場が操業していたり雑然としています。しかし、戸田市内に入ると、町工場の建物はなくなり、一般の住宅地帯が広がっています。JR西川口駅から延びている喜沢通りには商店街がありますが、住宅地らしく静かなたたずまいです。そうした街の風景を反映してか、活気のある明るい街へと希望をこめているかのように、三領水門には、大きな虹の架け橋がペインティングされています。また、このあたりの文化遺産としては、蕨市南町に江戸時代の画家、河鍋暁斉記念美術館があります。民俗芸能では、中町氷川神社で毎年7月15・16日に行われる、勇壮な「下戸田のささら獅子舞」があります。さらに、川口七福神めぐりのうち、本覚寺の寿老人、吉祥院の毘沙門天の2寺があります。正月の初詣りや、招福、商売繁盛、家内安全の祈願めぐりに人気があります。