その二十七 舟渡之景

船渡は荒川を北にし、南に工場地帯があり、高島通りの南側が住宅地になっています。都営地下鉄・三田線が通っていて、蓮根団地をはじめとして、いくつかの団地があります。ここは早くから都市計画が行われましたから、団地と最寄りの駅との間には、にぎやかな商店街ができています。西台の山の手を除けば新興住宅地で、都市へ通勤する人たちのベッドタウンになっています。昔から、このあたりに住んでいる人は少なかったので、暮らしの足跡や古くからの伝統文化、民俗行事は見られません。神社や寺も極めて少ないところです。そうした半面、荒川堤にはスーパー堤防を利用して大きな「レクレーションスタンド」が広がっています。毎年8月の第1土曜日の夜は、「板橋花火大会」が開催されます。同日には、対岸の「戸田橋花火大会」も開催されるので、その競演が荒川両岸の名物花火大会になっています。この日は、地元の人たちだけでなく遠方からもたくさん見物客が訪れ、納涼のひとときを堪能します。荒川堤の内側には、ソーラーシステムを応用した星座ブロックがあって、子どもたちの人気の的になっています。河川敷広場では、毎年、親子凧上げ大会など河川敷を利用したイベントが行われます。