その三十 笹目之景
笹目水門付近の荒川河川敷には、せせらぎ水路や総合運動公園があって、散歩やスポーツが楽しめます。戸田公園の堤には、「桜堤モデル事業」として、戸田市と建設省が協力してできた桜堤があり、開花時には多くの人が訪れます。さらに荒川堤に沿って眼前には戸田競艇場の大きな観覧席があります。レースの開催日には、戸田公園大橋を渡ってくる数万人の人出でにぎわい、モーターボートのエンジン音が響きわたります。オリンピック通りから北側には、戸田ボートコースと平行して流れる菖蒲川の両岸にある新曽南の桜並木が見事です。また、氷川町の金剛寺に成る柿の実は、丸いのと長いのと二種類が実り、知る人ぞ知る不思議な柿木です。さらに、新曽の妙顕寺には、慶長の坂碑があったり、路上にも応永の板碑が見られます。笹目には、早瀬の庚申塔群があったり、笹目神社には、戸田市指定文化財の高さ1メートルもある神馬があります。このあたりには、こうした歴史遺産があちこちに見られるのが特徴です。ここに古くから暮らし、長屋門を構えてる農家や、旧家の周辺には氏神を祀る森があったり、その隣に新しい住宅が混在しながら市街地が形成されています。古風と現代風のコントラストが共存している町です。