ライヴレポ

新居昭乃ライヴツアー「降るプラチナ」東京追加公演


 赤坂BLITZにて新居昭乃さんのライヴ。昭乃さんについては既に重度のファン(笑)だったしCDも集めていたのだが、昭乃さんのライヴなんてモノがある、ということも思ってもみなかった気がするし(笑)、そもそもライヴに行くという発想・モチベーション・財政状況が一致することが、ここまでなかったのだと思う(これは昭乃さんに限った話ではなく、ライヴ自体への参加が稀だった)。

 実は今(2005年5月現在)でもそういう傾向は継続して持っているのだが、自分はライヴの音源があまり好きではなかった。ライヴでは(ほとんどミスを犯さない人ももちろんいるが)、ミスタッチをすることもあれば音程を外したり余計な雑音が混じることもあり得る。何より、たとえどんなに高い技術を持つ演奏者でも、自身が丹念に何度も弾きこみ作りこんだ音には、ライヴでは敵わないと考えていたからだ(前述の通り、今でもそれらの考えを完全に捨てたわけではない)。

 しかし、このライヴは自分の価値観を大きく変容させた。

 それは、昭乃さんの声が凄まじい強制力をもって僕の価値観に干渉したからだ・・・・・・なんて書くとまるで悪いことのようだが(笑)。初めて生で聴く昭乃さんの声(いや、マイクは通してるけどね。本当に昭乃さんの『肉声』そのものを聴いたのは2004年10月のことだ)は、抗いがたい魅力で僕を虜にした。それまでも昭乃さんは自分にとって最上級の好きなアーティストで、CDを聴きながら涙ぐんだことも何度もあったのだが、ライヴでの声を聴いてからは、それ(最上級の好き)を超えてしまったとしか言いようがない。・・・・・・きちんとレコーディングされ、CDになった昭乃さんの声は極上に素晴らしい。それ以上のものはこの世に存在しないほどに。だからライヴでの昭乃さんの声は、まぎれもない『奇跡』そのものなのだ。

 その後、自分は(積極的というほどでは全くないが)時折、誰かのライヴに行くようになり、幾つも貴重な経験をした。特に、音楽的な嗜好の近いノンプロの方々のライヴはいつも最高に楽しませていただいている(昭乃さんのライヴ会場でもよくお会いするのだ)。考えてみると、それらの経験が出来たのも、この時の昭乃さんのライヴに参加したことに根源(?)の一端があるのだろう、と思える。そう、とても特別な日だったのだ。

 この回のレポートは当時(一応)つけていた日記からの、ほぼそのままの引用なのであまりしっかりとは(<?)ライヴレポっぽくないです。ちょっと体裁を改定(とゆーか他と揃えるカンジに)しました。それに伴って曲順が間違ってたらしいところを訂正したり淡い記憶を呼び起こして(笑)少し書き加えた点もありますが、あんま変わってないです(ほとんどこの序文みたいなのだけ・・・・・・って序文とか言って長さが本文とあんま変わんないし・笑)。

<更新日:2005.05.24> 


 <演奏曲目>

01,スプートニク
02,Orange Noel
03,Flower
04,空から吹く風
05,人間の子供
06,アトムの光
07,愛の温度
08,花かんむり
09,VOICES
10,?(曲名不知)
11,Reincarnation
12,願い事
13,ガレキの楽園
14,降るプラチナ

 --encore--

15,Reve
16,音叉
17,メロディ

 *(#10については後にラジオViridian Houseにてオンエアされた模様。その時点でタイトル未定とのことだったらしい)


 ステージに昭乃さんが登場した瞬間、既に鳥肌が立ち、じーんと涙がこみ上げそうになった。スプートニクのイントロが始まる。「小さいころ聞いた話を・・・・・・」声が耳に飛び込んできた瞬間、ボロボロと涙を流していた。あぁ、昭乃さんだ昭乃さんだ昭乃さんだ・・・・・・もう何も考えられなかった。1曲ごとにだーだーと泣きながら、プログラムが進行して行く。

 曲目は最新のアルバム「降るプラチナ」に収録されている歌を中心に、それ以外からも数曲、といった感じだった(まぁあたりまえだが)。知らない歌が1曲だけあったが、他はどれも何度も聴いて歌詞などがほぼ完璧に入っているものばかりだ(^^)。特に「空から吹く風」、「VOICES」、「花かんむり」あたりは現時点で自分がお気に入り編集をするとかなりの高確率で選ばれる曲たちだったからメチャ嬉しかった。ちなみにアルバム「降るプラチナ」の曲の中で歌われなかったのは「赤い砂 白い花」のみ。

 昭乃さん自身から「私の歌の中で最も多くの人に聴かれているもの」と紹介があった(「巨匠、菅野よう子さんの曲です」とも言ってたな・^^)「VOICES」のときは、もう身体も動かせなかった(いや、動いてたんだろうけどね・^^;)。目の前に昭乃さんがいて、「VOICES」を歌っている。あぁ、僕のためにも歌ってくれているんだ、と不意に思い、新しい涙が零れた。2番(?)までアカペラ(プラス、シンセによる風みたいな音)で、その後は原曲通りである。「We can fly. We have wings....」のところは僕も歌詞をつぶやいてしまう。

 途中に入る、ほぼ歌詞ではないコーラスやスキャットのような部分を昭乃さんが歌っている様子を見るのも、なんか感動だった(ライヴオリジナルの部分もたくさんあったけど)。「Reincarnation(『そらの庭』版)」の途中に入る声って絶対にYAYOIさんだと思っていたんだが、ひょっとしてオリジナル版でも昭乃さんが歌ってたのか?と思ってしまった(未確認)。そんなに器用なアーティストだとも思っていなかったけど評価を訂正。声の魔術師である。

 編曲はライヴならではと言うことでオリジナルのものとは異なっていた曲も多かったが、こちらはこちらで別の良さがあった。基本的にライヴ録音はレコーディングものには劣ってしまう、と思っているが、今回は別だった(自分も参加してるしね)。編曲の面で一番「うわーっ(>_<)」と思ったのは「花かんむり」のピアノ弾き語り版。昭乃さん自らピアノを弾きながら、である(そこもたまんない)。原曲はきわめて現代音楽(てゆーか実験音楽ってゆーか)的な、前衛の匂いすらするほどのものなのだが、見事にアコースティック化(・・・・・・というか)されていた。聴こえるものは昭乃さんの肉声とピアノの音だけ、である。余分な音がひとつもしない。あ、ヤバい、思い出したらまた涙がっ(TT_TT)。

 すぐ近くで、昭乃さんの声がする。その場で昭乃さんが声に表情をつけると、その通りに耳に届くのだ。まったくあたりまえのことなのに、これ以上の感動はなかった。僕は日常的には隠しているが近しい人々には知られている通り、ワリと涙もろい方だ(^^;)。しかし嬉しいでも哀しいでも悔しいでもなく(あ、「うれしい」ではあるのだが・・・・「うれし涙」とはちょっと感じが違うしね)、ただただ感動してこんなにボロボロと泣いたのは生まれて初めてだ。今でも思い出すと涙がこみ上げてくる(マジで)。こんな時間を、人は持つことが出来るんだ、と思った。

 昭乃さんは可愛かった(^^)。話し方も可愛いし、行動もなんか可愛い。ホントに、菅野よう子さんと昭乃さんが会話してる様子を見てみたいね(^^)。「人間の子供」のイントロをピアノで弾き始めてすぐに「あ、ダメだ」と言って止めてしまったりするハプニングも、ただひたすらいとおしい感じで(<馬鹿ファン・笑)。


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