4.7月22日(水)天気:曇りのち雨

 さて、この日は3泊4日を過ごしたベルナー・オーバーラント山群に別れを告げ、ヴァリス山群の麓であるツェルマットに向かう日だ。

 大きな荷物はライゼゲペックというシステムを使い、ツェルマット駅へ送った。今度は荷物が先に着いていることを祈る。(^^;

 (左の写真はグリンデルワルト駅とその後ろがホテルダービー。)


 まず、グリンデルワルト駅から登山電車でインターラーケンオスト(東)駅へ行き、インターラーケンヴェスト(西)駅まで街を散歩した。

 オスト駅から少し歩くと非常に静かな住宅街になり、やがてヴェスト駅に近づくと中世の町並みの雰囲気が現れた。鈴を鳴らして馬車が通り過ぎる。カジノのある建物は豪華であった。お店の女の人が言い争っているような大きな声でしゃべっていたのが印象に残っている。豪華なホテルも建っている。(右の写真は、名門ホテル『ヴィクトリア・ユングフラウ』) 賑やかな商店街をキョロキョロしながら歩いていたら、まもなくヴェスト駅に到着した。

 次の目的地はエッシネン湖(Oeschinensee)だが、列車を乗り継ぐ必要がある。乗換駅のシュピーツ(Spiez)では接続時間がタップリあったので街を散歩することにした。駅を出たら目の下に町と湖が一望のもとに見渡せる。ところが雨が降ってきてしまった。折り畳み傘をさして、トウーン湖(Thunersee)方面を目指して歩き始める。湖岸の高台には城(Schloss)や教会が見えるが雨が邪魔なので散歩は途中で中止した。

 ブリークへ行く列車に乗り換え、カンデルシュテーク(Kandersteg)で下車する。閑散とした駅前の道をエッシネン湖方面へのリフト乗り場に向かって歩く。しかし、今から思うとガイド無しで外国の田舎町を良く歩いたものだ。その時は綿密な計画と資料を読み漁っていたので、意外と不安は無かったように思う。(左の写真はリフト乗り場駅:駅から徒歩12分)

 雨が降っているので雨具の上下を身につけてリフトに乗った。7分で終点に到着したが、ここからはハイキングである。雨の中を歩き出すが、観光地とは思えないほど非常に静かであった。途中周回コースを右に進み、約20分でエッシネン湖(1522m)に到着した。

 湖畔にはホテル兼土産物店が建っている。岸辺には牛が放牧されていてカウベルの音が聞こえる。この日は天気が悪く遠望がきかないが、それでも湖の反対側には氷河や大きな滝が見えている。湖畔を散歩していたら、雨が止んだので途中のベンチでコーヒータイムとした。周囲の山はブリュームスアルプ連峰だが霧が漂っている。人の姿はほとんど無く、非常に静かで神秘的な雰囲気が漂う。

 再び雨が激しくなってきたので、土産物店で雨宿りをさせてもらう。スイスではどこの店やホテルでも出窓やベランダに赤いゼラニュームの花が咲いている。その花などをVTRに撮っていたら、ドイツ語でふざけあう子供達の歓声が録音されてしまった。(^^; なお当初の計画では旅行会社に、このホテルを申し込んだのだが、予約出来なかったのだ。雨が小降りになったので、周回コースを先に進む。途中、道に迷ってしまい、強引にホテルの庭を横断して正規の道に戻ったりもした。

 リフトで町に戻り、再びカンデルシュテーク駅まで歩く。今度乗った列車は、スイスパス1等ならば無料で豪華な個室を使うことが出来た。(^_^) 優雅な気分で素晴らしい風景を眺めながらブリーク(Brig)に向かった。ブリークではツェルマット(Zermatt)行きの列車に乗り換える。

 この列車からの景色も素晴らしい。小さな町(村)でも教会は立派だ。どれも中世の時代に建てたと思われる優雅な建物だ。途中で大きなピース氷河を眺めることも出来た。

 ツェルマット駅では先に送った荷物を受け取らねばならない。ところが、荷物を受け取る場所が分からなかった。しばらく探してやっと分かったのだが、いつも送った荷物には苦労させられる。そしてホテルから送迎用の電気自動車を呼ぶことが出来るそうだが、私は電話で話しをするだけの語学力が無い。(^^; しかたなく、重い荷物を持ってホテルへ歩いていった。(実は駅には無料貸し出しの台車があったのだ。)

 ホテルにチェックインし、部屋から外を眺めるが天気が悪く残念であった。ただし従業員の女性が『天気が良ければ、この部屋のベランダからマッターホルンが良く見えるわよ!』と言ってくれたので嬉しくなった。(本当に翌日からは毎日、一日中マッターホルンを見ることが出来たのです。)

5日目へ続く