秋の美ヶ原

 今年の9月は下旬になって天気の悪い日が続いていましたが、この日は一日中快晴という天気予報を信じて展望を目的に美ヶ原へ行って来ました。 ここは観光地ですが日本百名山の一つなのです。 以前にも観光目的で「王ケ頭」と「美しの塔」には来た事があるのですが、今回は山本小屋から王ケ鼻まで歩き、南面の岩壁を下り、 トラバース道を王ケ頭まで登り返すというコースにしました。これで百名山の一つを登った事にします。(^o^)

 なお、帰路のビーナスライン観光ドライブ写真集も御覧下さい。

【登山日】平成14年9月25日(水)
【山 域】美ヶ原・霧ケ峰
【山 名】牛伏山(1990m)、王ケ頭(2034m)、王ケ鼻(2008m)
【コース】山本小屋前駐車場⇔牛伏山→美しの塔→王ケ頭→王ケ鼻→トラバース道→王ケ頭→山本小屋前駐車場
【メンバ】夫婦
【地 図】昭文社エアリア 美ヶ原・霧ケ峰 2001年版 6万分の1
【交通手段】マイカー
【山行回数】今年20回目 累計306回目

※写真をクリックすると大きな写真を表示します。

八ヶ岳と南アルプスの展望  前日の夕方に白州の山荘へ行き、早朝4:45に出発する。甲州街道を諏訪湖へ向けて走るが舗装工事の箇所が多く渋滞していた。 下諏訪から中山道へ入り北上する。和田峠から無料になったビーナスラインに入り、三峰山や扉峠を通過し、「展望レストラン山本小屋」前の駐車場に6:35到着。

 駐車場には既に数台停まっていたが人の姿は無い。駐車場から東南の方向が開けていて 大展望が広がっていた。
 蓼科山・天狗岳・硫黄岳・赤岳・阿弥陀岳・権現岳・編笠山、鳳凰三山・甲斐駒・北岳・間ノ岳・仙丈・・・。

 車中で朝食を取り、7:10に歩き出す。北アルプスを見たかったので美ヶ原高原美術館方面の牛伏山へ寄り道した。 牧場の中に付けられている登山道なので何ヶ所かの柵を擦り抜けて行く。周辺にはマツムシソウ、カワラナデシコ、ハクサンフウロの咲き残りが見られる。 山頂から展望を楽しむが残念ながら北アルプスは山頂に雲が掛かっていて冴えない。 美術館のモニュメントが見えるが、その背景になっている浅間山や四阿山が大きい。

広大な牧場と「美しの塔」  駐車場まで戻り、王ケ頭へ向けて歩き始める。「美ケ原高原ホテル山本小屋」を過ぎ、右の写真のような広々とした 牧場の中を歩く。 平日の早朝なので人の姿が見えない。夏には賑わう観光地も、この日は静かで気持ちが良い。
 寒いので妻は赤い雨具を着ている。牛が興奮しないかと心配になったが、牛達は牧草を食べるのに夢中になっていて見向きもしない。(^o^)  「美しの塔」には数人の観光客がいたが、その後、王ケ頭まで誰にも出会わなかった。塔に刻まれている、下記、尾崎喜八の「美ヶ原熔岩台地」を実感する。

 『登りついて不意に開けた眼前の風景に、しばらくは世界の天井が抜けたかと思う。やがて一歩を踏みこんで岩にまたがりながら、 この高さにおけるこの広がりの把握になおも苦しむ。無制限な、おおどかな、荒っぽくて、新鮮な、この風景の情緒はただ身にしみるように本原的で、 尋常の尺度にはまるで桁が外れている。』

長閑な景色を眺めながらノンビリと歩く  左の写真のような景色を眺めながら広大な牧場にてノンビリと暮らしている牛達が羨ましく思った。私も時間を忘れてノンビリすることにする。 地平線の彼方に浮かぶ八ヶ岳、霧ケ峰、鉢伏山などの山々を見たり、牛や花の写真を撮りながら、牛歩で進む。(^o^)

 三城牧場からの道と合流する「塩クレ場」へ到着。ここのトイレは工事中で使用不可だった。

濃い青空を背景にした王ケ頭の電波塔群  8時半近くになり太陽が高くなって来た。東は逆光のため白っぽい空の色だが、西は順光を受け紺碧の空の元、林立している 王ケ頭の電波塔群が近づいてきた。 ここまでは殆ど平らで広い牧場の柵に囲まれた遊歩道だったが、ようやく登りに掛かる。王ケ頭から王ケ鼻にかけての南斜面は意外だが急峻な岩壁である。 しかし笹の緑と赤く染まってきた葉のコントラストが美しい。左手には鉢伏山から三峰山への緩やかな山並み、その奥には中央アルプスの山々が薄く霞んでいる。

 ホテルが近づくと焼却炉から臭い煙が漂っていて嫌な感じだ。宿泊した客達がマイクロバスに乗り込み美ヶ原方面へ向かって行った。 しかし、よくもまあ、長野県はこの美しい高原に自然景観を壊す人工物を建てることを許したものだ。田中知事だったらどうしただろうか?

 (8:30) ホテルの前から右手に下ると、長野県のテレビ局の名前が書いてある電波塔が大きく立ちはだかっている。 「天狗の露地」方面への道を見送り、右手に見える焼山などの景色を楽しみながら緩く下って行く。道端に王ケ山荘が建っていたが寂れた感じだ。 道の両側には紅白の背の高い棒が並んで立っている。雪の多い時期には道幅を示すものだ。冬は1m以上積もるのだろう。

王ケ鼻の石仏群  やがて王ケ鼻の鉄塔に到着。工事中の騒音が気になるので先へ進むと御婦人が2人休んでいた。本日初めてハイカーに出会ったが、私達は鼻の先端まで行って見ることにした。 そこは予想通り大展望が待っていた。\(^o^)/

 板状の岩が積み重なっている頂上であり、左の写真のような 石仏が置かれていた。そして、岩の隙間にマツムシソウが咲いていた。

松本市街と穂高岳 王ケ頭〜王ケ鼻の南斜面は急峻な岩壁だった  平らな場所にレジャーシートを広げ大休止。(8:50-10:00) 左の写真のように、 松本市街が見下ろせ、その先には北アルプスや乗鞍岳が聳えている。 但し、相変わらず頂上付近に雲があり残念だ。さらに目を移すと御岳、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳と主な山々が連なっている。 眼前の鉢伏山は双眼鏡で小屋まで見える。

 王ケ頭への南斜面は 急峻な岩壁 であり美ヶ原のイメージとは異なる雰囲気だった。(右の写真)  復路はこの岩壁の下に付けられているトラバース道を歩く予定だったが大丈夫なのだろうか?

 下山口はトラバース道とは反対の北西方向にあった。「石切場」という地名を目指して下る。持参した地図によると赤い点線のコースである。 やはり下ってみると整備されていないし、ガレた急坂が続き、どこまでも下って行く。なかなか王ケ頭方面への分岐が現れない。廃道になったのだろうか、と不安になる。 しかし、時間的にも体力的にも余裕があったので石切場へ着いてしまったら三城から登り返しても良いと思っていた。

 すると、ようやく分岐が現れ、古びた標識が立っていて王ケ頭方面への道が記されていた。持参した地図は6万分の1だったので感覚が狂っていたようだ。 トラバース道は狭く荒れていて草や枝を払いのけながら歩く。 しかし、下の写真の様に、 青空・岩・ダケカンバ・ツツジ・ススキの絶妙な配色が素晴らしく高原の美ヶ原には無い“山らしい雰囲気”を味わえた。

トラバース道から王ケ鼻を見上げる

三城牧場からの道を合わせる

 トラバース道から見下ろすと三城(さんじろ)の集落、進行方向には茶臼山や蓼科山が見える。 そして王ケ鼻から1時間近く経過した時に 三城からの登山道が合流した。(10:55) 右上の写真の場所だが古びて読めないほどの標識だ。 観光化が進む以前は三城から登るのが一般的だったようだ。

王ケ頭ホテルの裏庭から王ケ鼻方面を眺める  王ケ頭ホテルの真下に着き電柱をくぐり急坂を登って行くとホテルの裏庭に到着。 左の写真の様に 王ケ鼻は“目の鼻の先”なのだがトラバース道を歩くと1時間以上も要した。(^^;

 来る前はトラバース道も高原状の道だと思っていたので本当に意外だったが歩いて良かった。(^o^)

 王ケ頭の三角点に触れ、神社(御嶽山神社)にお参りし、ホテルの先のベンチで美ヶ原の大草原を眺めながら持参の鍋焼ウドンで昼食にした。(11:20-12:10) 

 昼になり観光客が増えてきた牧場の道を駐車場まで戻り、帰路は車山経由で白州へ帰った。

 補足:

私のコースタイムは全く参考になりません。100枚近い写真を撮りながら、牛のようにノンビリと歩きました。

帰路、扉峠・三峰展望台・八島湿原・車山・原村で途中下車し展望を楽しみました。この時の写真集は別途掲載します。

ビーナスラインが無料になったお陰でガソリン代以外の出費はゼロでしたが、これでは申し訳ないので扉峠でソフトクリームを食べ、お土産にバターを買いました。(^o^)

 

ビーナスライン観光写真集

2002年
山行記録