山荘日記 (2002.3.2〜3)

 一日目:3月2日(土) 曇り

 前日は呑み過ぎてしまい、最終電車を乗り過ごし、西八王子まで行ってしまった。タクシーの行列に嫌気が差し、甲州街道を立川に向かって2時間も歩いてしまった。 途中からタクシーに乗ったが帰宅は4時頃。 という訳で起床時間は9時半になり白州への出発は正午となった。中央高速は順調に走り韮崎ICで降りた。 韮崎のホームセンター「くろがねや」へ寄ってジャガイモの種イモを買う。そして、白州では「道の駅」や、スーパー「エブリー」で食料を仕入れる。

 横手の山荘へ向かう道の日影には雪が残っていたので心配したが、我が山荘の庭は完全に溶けていた。(北側の窓の下に若干残雪あり)

 14:40着。この日の気温は異常に高く、入荘時の温度は10度を超えていた。しかし、水道の水が出なかった。原因は分からないが、年に数回水が出なくなることがある。 しかたなくポリタンに貯めておいた水を運んでポンプ小屋へ行き「呼び水」を行う。約20gの水をポンプへ入れるのだが、この作業は結構疲れるのだ。

 玄関の中にLPG会社(ミツウロコ)検針員のメモが入っていた。「離荘時にガスボンベのバルブは閉めないで下さい。」 何故だろう? 圧力が下がり火力が弱くなるそうだ。

 暖かかったので、遅い昼食の後は外で過ごすことにする。チューリップの芽が出始めていた。 昨年の同時期は未だ雪がタップリ積もっていて地面も凍っていたのに雲泥の差である。昨年が異常だったと思いたい。 野菜を育てているビニールトンネルは強風が吹いたのか入口が開いていたが、中の野菜は無事だった。逆に暑くなり過ぎずに良かったのかもしれない。 しかし間引きが充分でなく、生育状態は悪い。それにしても厚蒔きし過ぎたようだ。

 次はジャガイモ畑を開墾する場所を探した。敷地は広いのだが林に囲まれているので日当たりの良い場所が少ないのだ。 結局、開墾する場所が決まらないまま夕方になってしまった。

 次は前回買って置いたブロックを組み合わせて「焚き火場」を作り始めた。意外だったのだが私はブロックには穴が三つづつ空いているものだと思っていた。 ところが、そのブロックには穴が一つしか空いていなかったのだ。 そして、先住のAさんが残していったブロックは何種類もあって、一つも空いていないものや三つ空いているのもあった。目的によって穴の数が違うのだろうか?

 裏庭に積んである雑木の枝を燃やすが、乾いていないので火力を保つのは難しい。周囲の林から乾いた枝を拾ってきて何とか火力を保った。

 完全に日が暮れて寒くなってきたので家の中に入る。なお、この夜は曇っていて星が全く見えない。 メールでビクセンに天体望遠鏡の調整の仕方を教えてもらっていたのに残念だ。

 二日目:3月3日(日) 曇のち晴のち曇

 夜中に天井裏を走り回るネズミが気になり熟睡出来なかった。その為、寝坊してしまい8時頃起床。空は曇っていて寒そうだ。

 朝食後、先住のAさんが残してくれた柱を整理した。この柱は将来の薪ストーブ用に考えていたのだが、東京電力が電柱として使用していたものを払い下げたものなので、防腐剤が塗ってある。従って、有毒ガスが発生するので薪としては使えないそうだ。 しかたなく、土留め用にするつもりで積んでおいたのだ。この場所は日当たりが良く、畑に向くと判断し、柱は小川の淵や庭のアクセントとして並べることにした。妻の力を借りたが疲れ果てた。(下の写真左)

 柱を積んでおいた場所(下の写真右)が空いたので、そこに畑を作ることにして開墾を始めた。 しかし、笹・ススキ・藤という根が強い植物が生えていた場所なので鍬(クワ)が通らない。途中で疲れ果て何回も休憩した。

土留め用の電柱を並べる

ジャガイモ畑を開墾し枯葉を敷き詰める

 晴れてきたので散歩に出掛けることにする。山荘の西には未だ歩いていない林の中の道があるので、勝手気ままに歩き回り、大坊(だいぼう)方面の展望が開ける田園地帯に向かった。 そして、いつもの甲斐駒ケ岳や八ヶ岳が見える場所に出て写真を撮る。(下の写真)

白い山は甲斐駒ケ岳(右奥)とアサヨ峰(中央奥)。
甲斐駒の右手前は黒戸山。アサヨ峰の右手前は宮ノ頭(2165m)。

八ヶ岳(西岳・編笠山・権現岳・三ツ頭)。右手前の低い山は中山。

 約2時間の散歩後、山荘へ戻り、畑の開墾を再開した。この土地の表面は腐葉土なのだが10cmも掘ると、その下は白い砂なのだ。 甲斐駒の麓に広がるこの土地は、太古の昔は花崗岩が風化した白い砂で覆われていたのだと思う。そのため白州という名が付いたのではないかな?

 従って、野菜を育てる環境ではないのだ。今回も周囲から落ち葉を大量に集めてきて開墾した畑に入れたが、野菜に適する土になるには数年かかるのではと思われる。

 次はビニールトンネルを解体して野菜を間引くことにする。9月22日に蒔いたのだが、未だ殆ど成長していないのはギッシリと詰まって生えているのが原因かも知れない。 半年近くも育てた苗を捨てるのは可哀想だが仕方が無い。思い切って間引いてみた。そしてビニールを掛け直し今度は風が入るように入口を開けておいた。 寒波が来たら凍ってしまうかも知れないが、日差しも強くなってきたので日焼けも心配だ。たまにしか手入れが出来ない別荘での野菜作りは難しい。

 今回は山荘で夕食を取り、19:00に離荘した。一般道路が空いていたので勝沼まで20号を走ったが、2時間強で帰宅出来た。

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