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7/1(水)記

先週、とある伝手から、SHAZNA好きの人たちのHomePageのオフラインパーティーにお招きいただいた。
私はその辺の知識には非常に薄い人間で、話題のIZAMくんも「きれ〜ね〜、引き込まれそうな目」という程度の認識。ヒット曲「すみれSeptember Love」も土屋昌己の腰の辺りでぶらさがっていたキーボードを思い出し、すぐSHAZNAに結びつかなかったほど。
SHAZNAオフチームが、今回のオフでは「買い物ツアー」と題し、コスプレ中心に店を巡るというので、「いったいどんな買い物なんだろう…」と、とにかく興味津々で出向いたのであった。
しかし、世の中は狭いというもので、集合場所に出向くと、なんと会社で顔をあわせるFさん(仮名)が同じ場所に。お互い固まってしまったのは言うまでもない。
彼女の素晴しいお仕事の話しは、周辺の方々からよく伺っていた。私なんかには尊敬に値する素晴しい方である。その彼女はコスプレなんかとは程遠いイメージの方なので、その場所にいらっしゃるとは思いもよらなかった。
本当はご主人もご一緒にいらっしゃる予定だったらしいのだが、用事&暑いのもあってドタキャンされたという。本当に人はみかけによらないものである。

さて集合後、いきなり新宿アルタ内でバラバラになって、ここで買い物をしない面々は、喫茶店で最初から休憩モードになってしまった。休憩モードの面々は、コンサート参加時のコスプレ写真を披露してくれた。
面々は、○Japanなどのコスプレびとの黒装束とは違い、色もセンスもなかなかのもの。それにしても衣装もほとんど自作というので驚き。写真を見ているだけであっと言う間に時間がすぎた。

ところで面々といっても今回の参加者は12名である。
殆どのメンバー以前からの知りあい、もしくは掲示板などの常連で、親しい間柄。また集まったのは男女半々。女の子はおしゃれなかわい子ちゃん(オヤジのよう!)ばかり。男性陣は至ってノーマルなんだけど、一人だけ、後ろ姿を見たら「デカイ女の子」と思ったほどの非常に色白で背の高い少し長い髪を後ろで束ねた人がいたのである。
彼は、今年社会人一年生で、CGデザイナーの卵として働き始めたと言う。
最初、とても大人しく静かにしか話さない人だったので、今回の「買い物ツアー」で何をゲットしていくのかな〜などと、私は非常に興味を持ち、オフの間中、彼を観察することにした。
アルタのあとに巡ったのは、新宿の「オカダヤ」。
ここは裁縫用具から手芸用品、布地までとにかく種類を揃えた、専門店だ。この店は幹事である男の子(大学2年生)の要望によるもので最初から計画されていた立寄所。
そこで彼は一体何が必要かと思ったら、IZAMくんの着用していたジャケットに似たものを作ってもらいたいのでその布地が欲しいのだという。
彼は、そのジャケットを着ているIZAMくん(写真集)を持参していた。
「ほうほう」私は感心することしきりであった。
「オカダヤ」には、布地の他にも、小林幸子・美川憲一ばりの羽のショール、ヘアピース(とにかく種類が多い!)メイク用品などなどの取り扱いがある。
私は、ヘアピース(カツラの方がしっくりくるけど)売り場でかぶりまくり、「きゃ〜風吹ジュン(古いわね〜)!とか、木梨ノリコでぇ〜す」とか、アホなことばかりやっていた。

さて、「デカイ女の子」風の彼は、至って静か。
彼がこの後、静かにブレークするとは、誰も想像しなかったのである。
出向いた場所は、新宿のとある百貨店。1Fにある化粧品売り場は人でごったがえしていた。我々のコスプレツアー一行の幹事くんがお化粧品がほしいという。細面で強い印象の顔立ちでない彼なら結構いけそうな感じである。Fさんに相談していたらしく、今若い女性には大人気のアメリカの化粧品メーカーM○Cへ向かった。美容部員と彼とFさんはファンデーションやシャドーを選んでいた。
その間じゅう、色白の「デカイ女の子」風の彼は、静かに彼等を見ているだけだったのだが、「ねね、なんかお化粧映えする顔立ちだよねえ。やってみたらいいのに。」と声をかけたところ、最初はたいして反応しなかったのに、幹事君が会計を終えようとしたところ、周囲でメイクしていた女の子たちを恨めしそうに見始めて「なんかいいよなあ」とぽつり。
買い物を終えたのと、その他の面々は次に向かう場所があったため、一旦分離し、あとでその場所へ向かうことになった。
残ったのは、「デカイ女の子」風の彼にこのオフに声をかけてくださった子と私の3人である。
見本品のファンデーションの色を見ながら「この辺の色合いがよさそう!」などと私がいい始めたころには心は乗っていたらしく「実はしてみたいんだよね」という返事。
なかなか言い出せなかったのであった。
ひとりの美容部員に声をかけて、「彼に合いそうなファンデーションはどんな感じでしょうねえ」と尋ねると、一瞬訝しげな表情をしつつも、すかさず頬の一部に塗ってくれた。「デカイ女の子」風の彼は満更でもなさそうだったので、「フルメイクしてどんなものがいいか見て貰うことはできますか?」聞いてみると、「メイクは予約していただかないと…。特に日曜日は混んでいますので、2〜3週間待ちです。もしよろしければお電話ででも予約をいれてください。」とカードを手渡してくれた。彼は淡々としているだけで、実はものすごくがっかりしていた。その表情に私はびっくり。
彼をなだめつつ、「しょうがないよ」というと、しょぼんとした顔で「この上にちょっと寄りたいんだけど…」とのこと。2名は彼について歩き出した。
向かった先は、なんと婦人服のフロア。
彼が行きたかったのは、とあるデザイナーズブランドの売り場。シャツを丹念にみている。こういう店はやはり男性では気になっても入りにくいはずだ。私がついていたので、なんとなく寄りたくなったらしい。
聞けば、今日のファッションの黒のシャツブラウスも、綿のパンツも婦人物とのこと。WOW!
そこの店の夏物は、いかにも女の子という感じだったので、どういいように見てもちょっと彼には合いそうもない。そこを出て、その周辺をうろうろしてみると、彼はなんと1件の店先にかかっていた黒いロングスカートを手にした。ちょっと当ててみたところ、丈が非常に長かったので、大きな彼でもくるぶしまで来るほどのものであった。それになかなか似合う。ちらっと値札をみたら、4万円であった。
「あら、いいじゃない」値段に驚いたのは隠しつつ言った。
「デカイ女の子」風の彼は、どんどん店の中に入り、物色し始めた。似合いそうなものを手渡してみているうちに、やはり最初に手にした黒いロングスカートを「いいなあ」と言い出したのだ。
冗談まじりに「中ではいてみたら?」と試着室を指していうと、「うん」という返事。
「おおおおおおおぉう!」
感情を表に出さないだけで、実は真剣だったらしい。(笑)
店員の女性に「彼が試着してもいいですか?」と尋ねると、「どうぞ!」というので彼は例のスカートを手に入っていった。
私が「SHAZNAのIZAMくんに憧れてるんですよっ」というと、「なるほど…」という表情の店員さん。
私はたいして店の確認もせずにそこに入っていったのだが、洋服のどれもがとても丈は長く、Sサイズと表示されているものでも、ずいぶん大きい。
すかさず「Sでも大きいですね」というと、「うちのは輸出もしてるんですよ。向こうのサイズになっているんです」とのこと。
そこで初めてその店が『Yoji Yamamoto』ということがわかったのである。
試着を終えた彼が出てくると、まあ、とてもお似合い。スカートは綿の素材だが、カットが斬新であるためにシルエットがなかなか良い。あと、気になる1点も試着したが、やはり最初の黒いロングスカートが一番よい。
小さな独り言が聞こえたなあと思った瞬間に、いきなり彼は「じゃ、買います」と一言!や〜私はびっくり仰天であった。
サイズもぴったりで、ウエストのスナップをちょっとずらすだけで済むのである。店員さんは「20分くらいいただけたら、私が直しますので」とのこと。
そうして、あちこち歩いて時間をつぶし、待つこと約20分。その間、先に別の場所に移動していた面々からの「遅いよ!」の携帯電話でのお呼び出し。
彼は「今仕立てて貰ってるのでもうちょっと」と返事をしていた。
待っているほうは、きっと「何を仕立てて貰っているのだ?」と思っていたに違いない。そして、彼は財布から税込みの4万2千円を支払っていた。彼の買い物ツアーはこれだったのか。。。支払った後の彼はその表情から、彼の中で完全なるブレイクをしているようだった。
我々は急いで集合場所へ向かうと、待っていた女性陣は一体何を買ったのか興味津々で聞いていた。やはりその反応は私と同じくらいであった。
その後の話題は、彼が変身する話しで持ち切りになっていた。

このツアーでは、化粧品や、おおきなピングーと手にいれた人、前から懸案だったサングラスやメイク道具を買えた人、思い思いの買い物をして、帰ることが出来たようだ。
しかし、私には「デカイ女の子」風の彼の買い物に付き合い、彼の一挙手一投足の反応を観察できたことが楽しかった。最近の男の子は私の同級生のそれとは全然違う人種というのを知った。
不思議な買い物ツアーオフを体験した。

<後日>
彼から届いたメールでは、あの黒いスカートにあうシャツを手にいれたとのこと。
『コス結構すすんでますよ!!今日はグッチのシャツをむっちゃやすく手にいれました!!1万6千円!!今日はおかんの前で例のスカートといっしょに着てみせてしまいました(^^;』
彼のお母さんの前ではいて見せたところは、「いいじゃないの」とのこと。なかなかの親子関係である。最近の親も自分の母親なんかと違うようだ。