<99.6.13> ひとつの電話がとりもつ話し。 時間が経つと、辛かった時のこと、悲しかったときのことなどが知らぬ間にちょっときれいな形に変化して、記憶されているってことあると思う。 Diaryに登場することもあるので名前は仮名Hくん。先月遠出をしたときにその彼Hくんの車(でかくて目立つ)とおんなじのとすれ違ったので、「もしかしたら静岡方面に向って走ってた?」って聞いてみたら、「その時間走ってたけど、草津温泉だった」という答え。 3年半付き合っていた彼女から突然電話が鳴ったという。それもとても酔っていて。 ずっと遠いところに行って、そして今度は北へ流れていくのだと。 その時のつれづれがHくんのHomePageにちょっと書いてあったのでいた読んだ。その時、自分も思い出の中に埋もれて、たぶん忘れかけていた人(自ら忘れる努力をしたわけではない)から突然電話が鳴った話をダブらせてしまったのかもしれない。 そして、Hくんも私のところで電話で似たようなことがあったことを書いていたのを見つけて読んでいたのだ。 草津はその彼女との土曜日。 「嵐のようにやってきて、嵐のようにいなくなったよ。」 「電話、、おんなじようなことになってたんだねぇ。その彼に会いたいと思ったことはないの? 僕はとても会いたかった。嫌いで別れたわけじゃないもの。」 「私だって顔も見たくないと思っていたわけでなく、もう記憶の底に沈みかけようとしてたから」 そんなような会話だったと思う。 あの夜「もう電話をかけてこないで」と心の中で言ったのは、何かの形で関わることすらいやだということでは決してなくて、とにかく今を振り回されると混乱してしまう、そうなるのが嫌だったからだと思う。とにかく先に進みたかった。 自分の中から廃絶したわけじゃない。至極簡単だけど、それなりの事情があったのだ。(なんの事情??) そのことでまたずたずたになりたくない。泣きたくない。それだけのことだった。 要するに憶病者なのだ。 入り口に入る時は激しい恐怖感。それを越えられない時はずっと悪夢のままで、ずっとうじうじしている。 これは私の弱点のすべてである。 超えた時には、何ごともなかったような顔でいるくせに。 (よくよく考えても、付き合っていたなどとは言えただろうか?付き合っていたと言えることの定義ってなんだろう?) 必死だった日々の中では一度も浮かばなかった相手。思いがあったら、苦しい時に出てきたんだろうな。 ある時期を越えてから、自分に対する考え方がちょっとは変わってしまったのもあると思う。 だから彼に云った「記憶の底に沈みかけていた」ということは、想い出だけで会いたいとは思ってなかったということ。 綺麗な形で記憶されていた方がいいことだってある。 「かなり酔っぱらっててさ。3年半ぶりに逢って、15分も経たないうちに寝ちゃったよ。ちょっとは用心しろよー、無防備だよ」 日記に書かれた言葉は、とてもHくんらしい感じだ。 大事になり過ぎちゃってて、もう黙って見ているしかできなかったという。 友だちとして、何故かちょろちょろと恋愛話しでやり取りをしちゃう私たち。なんでHくんとそういう話をよくするようになったのだろう。でも話していると、見ている視点がすごく似ているといつも感じる。他の人とはこんな自然に「愛」なんて話しできてないのに。おもしろい友だちだ。 北へ流れていった彼女に逢えるでもなく、休暇を取り付けて来週7月の頭から、あの大きな車を走らせて北海道へ向うという。 時には無駄だと思いながら、突き進む勇気も必要だろうな。何もしなければ何も生まれない。掌はいつも空っぽなだけだ。 先日ボトルメールで「言葉にしなければ、何も伝わりませんか?」っていうメッセージがきた。 考えたら今まで、自分はずっと言葉にも行動にもせず来たような気がする。 なんとなくわかってくれているだろうから、、、って思ってきてた。 相手が一生懸命手を伸ばしてきても、いつでも疑心暗鬼な心。 私がさりげなくしてきたことなんて、過去には相手へ何も通じてなんかなかったようだ。 そのメールの一言を何度も読み返しているうちに、過去に自然に遠くなっていっていた人との理由に今更のように気がついて・・。 失ってから初めて得るもの。初めてそれを感じた時の消失感。 ボトルメールのスケッチブックを開き、そこにタイプした文字は「何か言葉にしないと、なんにも伝わらないと思うよ」。 なんて矛盾している。それは自分に対して云わなければいけないのだ。 追記: Hくんへ。好きな人いないの?って聴いてくれた話。 こないだの時「ぜんぜん。」なんて云ったけど、そんなことはなくってよ。ほら臆病だからね。今は、せめてずっとずっとばぁさんになったとしても関わっていられたらって思うから、何かで壊れるようなことがあるくらいなら、今はこれでいいかな?なんてね。 ん?これじゃ伝わらないね?。やっぱり伝えられないみたい。 人に云ってることと矛盾してる? だって私はいつでも待ってるしかできないんだもの。どうすることもできない。 ま、お互いに見守りあっこってことで、また話そうか!? 彼女に会えるような気がするよ。 縁があれば、どんなシチュエーションでもどんな遠回りをしても、最後には自分のそばにいるものじゃない?頑張るのだ。 何も考えてなくても、気がついたら涙がぽろぽろとこぼれてくる夜もある。さりげなく流れてくるメロディが心の琴線に触れる。 その音たちに感謝。音たちに出会ったことへの偶然にも感謝。そしていろんな言葉をかけてくれる人たちへも感謝。 こんなページは誰も読まないだろうから、好きに書いちゃった。へへ。 |