とっても初心者のためのMacintosh講座

《第13回 フォントについて》


既にご存じとは思いますが、フォントというのはパソコンにおける文字のことです。
文字の形にはいろいろな種類があります。日本語では「細明朝体」とか「ゴシック体」、欧文文字では「chicgo」「Helvetica」などなど。

フォントには、印刷をするとぎざぎざになってしまうビットマップフォントときれいなまま拡大した文字を印刷できるアウトラインフォントがあります。どちらも結果としては点(ドット)の集積として文字の形を表現しています。画面上も、プリンタの結果も点の集積です。
しかし、このふたつの違いは、文字の形を導き出す手順が違うということです。
ビットマップフォントは、画面に表示したり印刷する文字の形の点の位置をそのままファイルに収めてあります。ですから、表示・印刷するときは、ファイルの中身を読み出してきて、画面やプリンタに転送しているのです。

<ビットマップフォント>
これは、例えば12ポイントのフォントであれば、12×12のマスメを塗りつぶして文字の形を作ります。小さなサイズであれば1文字あたりのデータ量も少なくてすみますが、サイズが大きくなれば大きくなるほどデータ量は比例級数的に大きくなるため、拡大縮小に弱く、様々なサイズのフォントをそろえると膨大なデータ量になります。
また、フォントの大きさは決まっているので、ディスプレイでもプリンタでも12ポイントの文字はある決まった大きさで出力されます。しかし、ディスプレイよりもプリンタのほうがずっと細かい点を使って文字や線を印刷しますので、ビットマップフォントをディスプレイと同じ大きさで印刷しようとすると、フォントを拡大することになります。
ビットマップは点を塗りつぶして文字を作っているので、それを拡大しようとすると当然ぎざぎざが目立ってしまう訳です。
しかしこれはCPUへの負担がかからないという利点があります。


<アウトラインフォント>
ビットマップに対し、アウトラインフォントはきれいなまま拡大した文字を出力するので、ディスプレイでもプリンタでも同じようにきれいに出力されます。
アウトラインフォントは、ある点と点の間を曲線でつなげながら文字の形を生成します。この文字は数式扱いで、計算して点の配置に変換しています。RIP(Raster Image Processor)ですとか、フォントドライバと呼ばれるハードまたはソフトでこの計算を行っています。この計算をソフトで行うには、高速CPUが必要になります。
しかし、1種類の数式だけでいろいろなフォントサイズがカバーできるため、ビットマップフォントよりも効率的です。MacではTrue Typeというアウトラインフォントが添付されています。

アウトラインフォントの3つの方式とは? アウトラインフォントが現在主流ですが、これには実は3つの方式が存在しています。

    ●PSフォント
    PSとは、PostScriptのことをいいます。これはアドビシステムズ社の技術で、フォントだけでなくあらゆる2次元のグラフィックを数式として扱う技術です。
    Macに最初からついてくるTrue Typeは、QuickDrawという決まりごとを使って、画面やプリンタに文字を表示します。つまりアウトラインフォントの展開はMac本体が担当します。
    PSフォントは、画面表示用のフォントとプリンタ用のアウトラインフォントからなっています。PSプリンタにはフォントを記憶するためのハードディスクが搭載されていて、ここにアウトラインフォントが記憶されています。
    ですから画面表示にはビットマップフォントを使い、印刷のときはパソコンからプリンタに文字コードが送られ、プリンタ側からアウトラインフォントを展開して(点の配置に変換して)プリントアウトします。この方式の場合、プリンタの性能をフルに生かせますので、とてもきれいな仕上がりになり、またパソコンは早めに解放され、次の作業に移ることが出来ます。
    しかしPSプリンタは、まだまだ高価です。

    ●ATM
    ATM(Adobe Type Manager)は、画面上でPSフォントのアウトラインデータをビットマップに展開する仕掛けになっています。
    データの展開にはCPUを使っていますので、速いCPUが必要になるでしょう。またアウトラインフォントを置くためのハードディスクのスペースも必要になってきます。
    ATMは画面だけでなく、プリンタに対しても点に展開したデータを送ります。そのため、アウトラインフォントデータを持っていない安価なプリンタでもきれいな印刷が可能です。PSとATMは、どちらかというとデザイナー、DTP関係などの業種の使用者が多いようです。

    ●True Type
    これはPSフォントに対抗して、MicrosoftとAppleが呉越同舟で開発した技術です。ATMと同様にパソコンのCPUでアウトラインデータを展開します。
    現在ではWindowsもMacOSも、標準でTrue Typeのラスタライザー(アウトラインデータを点の位置に変換するソフト)が組み込まれて、いくつかの書体のTrue Typeフォントが付属されています。

フォントのデザインを確認する。

「システムフォルダ」-「フォントフォルダ」の中のスーツケースにある書類は、直接開くことによって、そのフォントのデザインを確かめることが出来ます。ビットマップフォントの場合はそのポイント数の文字が表示され、True Typeを開くと、9、12、18ポイントのそれぞれの文字が表示されます。
なお、丸漢書類はフォント書類ではありませんので、開けません。



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