中五島 真鯛全員安打


平成14年9月21日(旧暦8月15日)。
最近、月を眺めた事がありますか。今宵は中秋の名月です。
名月とは満月。満月という事は大潮。大潮という事は真鯛が釣れる。
という訳で九州岩場ホームレス探検隊は久し振りに中五島に真鯛釣り
に行ってきました。
探検隊メンバーは酒宴長の松隈父、業師修行中の松隈Jr、松嶋、私の4人である。
呼子港から海輝(0955-82-3650)で午前11時に出港。
中五島で真鯛と言えばこれまでの統計からこの時期はへぼ島がいい筈である。
へぼ島、へぼ島とうわ言のように船長に言って、やっとへぼ島の西側の一番
いい所に上げてもらう。
不思議な事にへぼ島には何人も瀬上がりしていたが、ここ西側の一番いい所
には誰も上がっていなかった。


上がった時は丁度干潮時であり風も強く、湧き上がる潮が音を立てて流れて
いたので、皆、敬遠したのであろうか。
我々は夜釣りに掛けるので昼間は釣りにならなくても一向
に構わない。夜迄、体力を温存しておけば良い。
夜までに潮が変わる事を期待して時間を潰す事とした。
そうは言っても、何か釣れんかなーと思って竿を出すがやはり
流れがはやく、仕掛けが沈まない。足元を狙ってもトロピカル
なすずめ鯛(黄色)、ハトぽっぽ(顔はアマダイ風)が釣れる
だけである。

何の成果もなく夕まずめとなった。久し振りの丸坊主なのでしょうか。
松隈父の必殺KZ-Rのするする全遊動にも何も釣れない。
暗くなって松隈Jrが投げた籠仕掛けの第2投に大型イサキが掛かってきた。
おお!イサキはいるんじゃないの。そう言えば潮も何か良い流れに変わって来た
ような気がする。もう真鯛も頂いたも同然じゃないの!
もう勝ったも同然と言うことで、はやる気持ちを抑えつつバーベーキュー大会となった。
なんちゅうても今日は中秋の名月じゃけん。焼肉を食いつつ名月を
見上げにゃならんとよ。タン塩もあるよ。ししとうもあるけん。
ホルモンも買って来たとよ。玉ねぎは生でも食えるとよ。
しこたま焼肉を食ったら全員落ち着いてしまい。竿を投げる気が
しなくなった。
でも何か釣らんと話しにならんばい!と投げた松隈Jrに真鯛がヒット!!
これに皆、慌てて鯛釣りを開始。


程なく、松隈父に真鯛がヒット。松隈父初めての真鯛である。
さらに、松隈父に真鯛が連続ヒット。なんちゅうことか。
この時点で松隈父2枚,松隈Jr1枚,松嶋0枚,古沢0枚である。
松嶋、古沢の胸に『不運』,『無念』,『焦燥』,『孤独』,『諸行無常』が巡る。
釣りに行って自分だけ釣れていない時の悲しさは、人生を捨てたい気持ちである。
その代わり、自分だけ釣っている時は鬼の首でも取ったように意気揚揚となる。

どうも、沖に払い出した潮が100位先で右に曲がり緩む処で当たって
いるようである。
古沢曰く『これが真鯛潮である。』
そこに狙いをつけて執念で古沢が真鯛をヒット。
私はやっと夏休みの宿題を終わったような気がするが、この時の松嶋さんの
気持ちは察するに余りある。


程なく、松嶋さんも全員の拍手と共に真鯛をヒット。これにて全員安打である。
イヤー!じっとへぼ島で我慢しててよかった。瀬替りの誘いに乗らなくてよかった。
夜10時までに見事なくらい全員2枚ずつの釣果となった。


この後は誰が抜け出すかの競争となった。
潮は満潮から2時間経過しており、そろそろ潮変りになってきている。
潮が左流れの下げに変わった時、松隈父に奇跡の真鯛のダブル(一家)がヒット。
なんちゅう事か。連続ヒットはよくあるがダブルとは初めて見た。
鯛釣りは運だけか!。場所だけか!。経験は関係ないのか!
これにて全員で10枚となり、夢の2桁安打を達成。
その後、執念で私も1枚追加し結局4名の合計で11枚となった。
やはり、データを信じてへぼ島で我慢したのが大正解であった。
この時期にへぼ島で真鯛が釣れなかった事はない。というジンクスはまだ生きている。
不思議な事にへぼ島にはアジ子もクロもいなかった。
当たれば真鯛かイサキであった。
他の岩場に上がった同船者に聞くと、アジ子とミニクロばっかりだったとの事。
やはり潮の流れの速さが違うと釣れる魚種も違うようである。

今回の教訓
ふかせでも釣れ、籠でも釣れる処はない。どっちかを犠牲にしないと釣果
は望めない。


私がキープした調理前の真鯛3匹。
この他に鯛が釣れる前にキープした小型イサキもあったが、恥ずかしい
のでクーラーの底に隠して持って帰ったため、写真にも載せない事とする。