野塚岳

この天気に大感謝


 野塚トンネル北側からすぐに東斜面に取り付き、身体が眠っているうちに一気に高度を稼ぐ。今日はスノーシューで良さそうだ。静謐のトヨニ川があっという間に眼下に遠のいていく。

 何の前触れもなく、背後のトヨニが真紅に染まる。神々の目覚めをとらえようと、急いで潅木を縫って無風の尾根へ。腰掛けて眺めるうちに、美しすぎる峰が徐々に黄色へと変化する。パッキリ見えました

 900から上は、地図以上に平坦で広い尾根だ。雪は笹の頭が出る位。日陰のカンバ帯を辛抱強く歩き続け、北尾根1147に立つ。楽古へと延びる国境と太平洋が飛び込んできた。

 春を思わせる陽気のもと、雪堤を南へと辿る。対照的に、尾根の西斜面からは雪が殆ど吹き飛ばされ、下生えが覗く程だ。登り返した1223からは、邪魔する樹木もなく最高の眺望。次の縦走もこの天気で、と贅沢な願いをかける。

 少し下ってから最後の急斜面に取り付くが、見た目ほどきつくはない。南を振り返るアイゼンの出番もないまま、無風の野塚岳に立つ。トヨニ北峰は勿論、ペテカリと思しき錐形までくっきり見える。勝幌の東はるか遠方に輝くは、大雪連峰。

 ピークでの休憩を満喫し、西へ向かう。下りを警戒してアイゼンを履いたが、膝まで埋まって全くはかどらない。すぐにスノーシューに戻す。スッパリ切れ落ちた野塚西コルには南面雪庇が発達している。眼下に天馬街道が見えるが、無風でも怖い。

 野塚西峰に立つと、神威岳が気高い姿を現した。誰がつけたか正に神威ずっと歩いていきたい気分だ。ここからは、雪原を思わせる稜線を夢見心地で歩く。微風が頬を撫でる。

 1223から一気に下った後、短いキレットを越える。凍てついていないので適当に巻ける。神威がトヨニの背後に隠れ、程なく1115J着。あとは一気に下るだけだ。 

 ('03/1/26)

 

写真上:影野塚 中:国境南望 下:純白の稜線

  • コースタイム: 
    車6:16-6:468156:58-8:20北尾根11478:29-9:0212239:11-9:47野塚岳10:16-10:46西峰-11:22126811:36-12:141115J-12:56車

  • 印象: 野塚北尾根は取り付きも比較的楽な上、歩き易い。この付近の国境稜線は全体に広く、平坦。    

  • トイレ: 豊似側では、二股橋付近のパーキングにあり。