風邪で台無しにしてしまった3連休を取り戻すべく、朝3時に出発。国道のシェルター脇から斜面に入り、スキーを履く。辺りはまだ暗い。気温は-12℃、この時期としてはやや高めか。
目指す双珠別岳(1389)は、占冠を流れる双珠別(滝の・たくさんある・川)川の源にあたる。
地形図を見る限り、ここまで北上すると日高も周りのなだらかな峰々に溶け込んでいるようだ。
一直線で1327に出る尾根を使う。緩やかで広い斜面を登る。針葉樹林からカンバ帯にさしかかる頃、空がオレンジ色に染まる。雪面も鮮やかな朝色だ。ペケレ、沙流などの山並みも目覚めたのか、雲を吹き飛ばしていく。
1327までは風も弱く、柔らかい朝日に包まれ快適に登る。ハイマツのピークに出るとさすがに風が強い。お椀型の双珠別には雲がかかっているが、行く手の視界は良好だ。
国境稜線はややクラストしているが、それ以上に滑降を妨げるのは密生するカンバ。
1275から北では樹林が雪の下に隠れ、滑りやすくなる。いつまで経っても上達しないスキーに翻弄され、1205コルまで転がり下りる。コルからは電波塔への真っ白な林道を眼下に、急登を避けて南西斜面をトラバース。
すぐに尾根に合流し、ダラダラ登る。カンバの疎林が気持ち良い。右手にはオダッシュ山へと続く稜線の向こうに、十勝平野と新得の街が淡い桃色を纏っている。この辺の尾根は「国境丘陵」の方がふさわしいたおやかさだ。
相変わらず、双珠別のピークには次々と雲が押し寄せている。アイゼン要らずの緩斜面を登りきり、頂上へ。
双珠別川からの烈風に襲われる。雲の中にいるのが実感できる。源流部の大樹林帯がわずかに雲の切れ間から覗く位で、狩振などの稜線は全く見えない。
帰りは尾根伝いに国境1289まで足を伸ばす。同じ日高とは思えないゆったりとした山並みが、北へと標高を下げていく。1327を振り仰ぐと、この時期にはまだ美しい雪庇が輝いている。
勢いを増してきた雪雲と競争するように、来た道を戻る。1327からは風も弱まるが、苦手の下りだ。何度も転ぶ。
淡々と登り返し、熊見山に到達。すっかり曇って眺めもないため、南下する意欲を失う。コルまで戻って樹林帯を抜けると、シェルターからの反響音が響いてきた。
('03/1/18)
写真上:大気の目覚め 中:1327からの南望 下:双珠別手前から振り返る