拓成から勝幌方面を見上げると、1496への沢の途中に>の字型の白い滝が見える。どれほど巨大な「秘爆」なのか、想像が膨らむ。気になって仕方がないので、YさんとHさんに声を掛けて行ってみることにした。
安井宅前には既にYさんが陣取っている。早速前夜祭の始まり。妙な暖かさと不気味な地震雲。日高談義は尽きず、ついつい真夜中まで深酒してしまう。
早朝に合流したHさんは元気そうだが、麓で夜を明かした我々の表情は冴えない。382から入渓し、集材道沿いに遡行。道すがら、巨大な切り株から細い幹が再生している。500を過ぎると一度涸れた流れがやがて復活。10月とは思えない生暖かさだ。
細い550二股を越えると、沢らしくなってくる。ここまで来ても酒が抜けず、周りを楽しむ余裕もない。750左股は穏かな滑滝だ。
さわやかな雰囲気を纏うH氏に先頭を譲り、ゆっくり登る。ここから傾斜が急になり、780で15mの滝。二人は勇猛果敢に壁を攀じるが、最初から守りの当方は左岸から巻く。
暗いのはこの一箇所だけで、あとは開けた沢が続く。
880で遂に>の滝の下に出る。傾斜は緩いが落差25mほど。白い幅広の一枚岩の上を一条の滝が屈曲しながら滑っていく。壮観だ。乾いているのでフェルトの摩擦で楽に登れる。振り返ると、空に白い膜がかかっているものの戸蔦別川下流域の眺めが見事。
この上流は細々と続くが、1030で涸れる。ハッスルし過ぎたH氏は滑った拍子に額に瘤をこしらえているが、今日の自分には1496まで薮を漕ぐ気力はない。天候にかこつけてあっさりと下山を決める。
>の滝で大の字になって休むが、岩盤の揺れを感じて起き上がる。先日のような揺れが来たらひとたまりもないだろう。下から見上げてあれだけ目立つのだから当然だが、期待に背かない展望に満足。
沢沿いの潅木の樹皮が膝上位まで剥けている。土砂を押し流す猛烈な鉄砲水の置き土産か。(H氏によれば、台風後、>の滝一面に水が溢れていたという。)
一度曇った空が再び晴れてきた。鮮やかとしか表現しようのない楓を愛でながらゆっくり下る。季節はずれの暖かさの中、今シーズンの沢を終える。
('03/10/11)
写真上:巨大な一枚岩 下:正に小春日和