コイカクシュサツナイ沢

門前払い

         


 札内ダムまでは真っ暗な除雪前の道。歩く前から緊張させられる。

 降りしきる雪に構わず出発する。六つのトンネルと一つの覆道をくぐり抜け、札内ヒュッテへ。気温は-2℃、既に積雪は膝上。これは豪雪なのか。おまけに湿っている。長靴を含む4泊分の重荷に、早くも息が上がりそうだ。

 幌尻覆道を抜け、いよいよ本格的なラッセルだ。が、スノーシューでも腿まで潜る。反復運動10分進むが、余りのアルバイトに愕然とする。これでは4km先の七ノ沢出合にも届かない。エクウチカウシへの第一回目の挑戦は、あえなく潰えた。

 行き先をコイカク沢に変更し、通い慣れた沢伝いに進む。が、面白いように進まない。1時間進んでも、振り返ると車道の橋が視界の中。全く楽しめないのは山に対する心境の変化か、はたまた気象条件のためか。時折、重苦しい「グゾッ」という音と共に雪が沈む。雨量計測小屋の軒先で小休止。函までも遠い

 砂防ダムの高巻きに大きく時間を消耗する。それに比べれば函の巻きは楽。結氷前で水は流れているが、浅いのでスノーシューを履いたままで問題ない。

 左岸から上の函を越えるが、上二股まではとても届かないので15分程進んで中州に幕。快適なテン場だが、湿雪が止まない。ラジオも途切れ勝ちで侘しい限りだ。

 
 遅い朝を迎える。重たい雪がテントを埋めている。足取り重くざっと60cmは積もったろうか。目的を失った身には、今日の雪空を耐える気力も残されていない。引き返すのみ。

 気温は0℃と妙に暖かい。昨日のトレースは殆ど残っていない。雪は重く、さらに厳しいラッセルを強いられる。

 足元を見つめながら、ひたすら黙々とスノーシューを引き上げる。車道に戻ってからは、100m程のトンネル間の橋に10分もかかる悲惨な状況。次に挑むのは2月以降にしよう。

 ('03/12/19〜20)

  

写真上:雪帽子 中:音のない風景 下:ゴルジュの朝
 


  • コースタイム: 
    車6:25-7:35札内ヒュッテ7:45-8:10幌尻覆道8:35-8:50コイカク登山口分岐-11:20砂防ダム-12:45540(函の上流)
    5408:10-9:40砂防ダム-12:30札内ヒュッテ12:40-14:30車

  • 印象: 上二股まで二日見た方が良い。   

  • トイレ: 札内ヒュッテが最終。