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今朝もトヨニはいい具合に染まっている。
-7℃だが、昨日積もった新雪のため膝まで潜る。風も弱く暑くなりそうだ。静まり返った南東尾根の末端で、息を切らせてジグを切る。
上空には一片の雲もなく、文字通りの快晴無風。これはひょっとして、年に一度の山日和ではなかろうか。気分も浮き立ちラッセルの足取りも軽い。今日は、飛び交う鳥達もさぞかし爽快だろう。
トレースを利用できた年末よりは時間を食うが、代償は十二分だ。1253から振り返る。サングラス越しに見ると、国境の向こうはオレンジ色の太平洋だ。
逸る気持ちを抑えて東峰に向かう。遥か東方にうっすらと浮かぶのは知床方面か。トヨニに立つ。
両翼を広げ、ずっしりと鎮座するピリカと白すぎる神威。言葉で表現する気すら起こらない。魂ごとこの空気に吸い込まれていたのかもしれない。争い合う人達に、この景色を見せてあげたい。
無風のピークで小休止。不慣れなブローニーの交換も余裕だ。
この十日で、稜線の雪はかなり増えている。が、大腿四頭筋の疲れも忘れ、高揚した気分のまま北峰へ。無風なので、頂きの直下に幕。こんな時間が永遠に続けばいいのに。
夕映えの稜線は圧巻。だが、不思議と感動や涙とは遠い世界に居た。とりつかれたように、ひたすらシャッターを切り続ける。それでも写真で伝えられる空気はほんの一部だ。
夜景も月明かりの稜線も、恐ろしくくっきり見える。ピリカヌプリが白々と月光に映える。何だか見てはいけない世界のような気がして、すぐにテントに引っ込んでしまった。生きていて良かった、心からそう思える一日。
車6:33-7:33尾根取付7:40-8:588309:08-11:05125311:20-
12:17146012:22-12:47トヨニ13:07-14:00北峰
写真上:弥勒カンバ 中:快晴トヨニ 下:吸い込まれていた
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夜半から風が強まり、テントを揺らす。ブロックを充分に積めなかったので心配だ。
早朝、まだ稜線は晴れているが下界は雲の中。月明かりを頼りにピリカを、と準備を進めるが5時過ぎにトヨニに雲がかかり、気分を殺がれる。前夜よりも低気圧の接近が早まる予報で撤退を決める。何よりも、前日で満たされているので北進する原動力が残っていない。
ゆっくりとパッキングしていると、予期せぬ朝焼け。そして、橙色の細い筋が上空へ伸びる。初めて見るサンピラーに感動もひとしおだ。
西コルまで散策してから往路を戻る。トヨニへと出発した途端、一瞬にして雲に覆われ視界がなくなる。トヨニ直下でブロックを積むが、風雪が強まる一方なのでそそくさと下山する。1253からは、悪天候をついて登ってきたYさんと一緒に下山。天上の宴は、またもやお預けとなった。
北峰8:20-8:55トヨニ9:50-10:30125311:10-14:10車