| ピラトコミ撤退 |
早朝から生暖かい風。運動会日和。サーモンピンクの朝焼けは久し振りだ。山はくすんだ緑に様変わりし、季節の移ろいを実感する。ヒュッテまで難なく車で入れるのが新鮮だ。勿論、みずきトンネルでは山の神に祈りを捧げる。 自転車で林道を疾走する。二月前のデブリ地帯は、すっかり春色だ。滝見橋を過ぎると、向かい風が強まる。上空の雲足も速い。 札内本流は近寄り難い位の迫力で、七ノ沢砂防の上流も溢れそうな水量だ。スムーズに七ノ沢出合到着。尾根の雪はすっかり消え、やる気を削がれる。 七ノ沢橋を過ぎるとすぐ、道がデブリで塞がっているので自転車をデポ。すぐ先の覆道を抜けると、立派過ぎる鉄橋(眺望橋)。平成14年12月完成って、横断道路凍結宣言間際まで突貫工事していたのか・・・620右股の源には、1737東面の切り立った崖。見るだけで気が引き締まる。 眺望橋のすぐ上流には、七ノ沢を跨ぐ高さ20m級の鉄橋が作りかけのまま放置されている。 左岸から右岸への渡渉に難儀する。腿の深さでもんどりうっている激流に、身の危険を感じる。二度途中まで渡って引き返し、諦めかけながらも三度目にピンポイントの渡渉点からクリア。 640二股から左に入るが、沢の奥を見上げた瞬間に今日の登頂を諦める。源頭に雪がない上、手におえない急滝が糸を引いて落ちている。それでも、行ける所まで遡行してみる。 700を過ぎると沢は雪渓で埋まり、黒い「御神渡り」も出現。810三股から雪渓の彼方を見上げると、厳しすぎる滝が三方から取り囲むように落ちている。 急だが柔らかい雪面を横切り、向かって右側の斜面に取り付く。谷間に光が差し込む頃、青かった空が白味を帯びてきた。丈の低いササを漕ぎ、約100m登るが暑いばかりで気力も失せる。このペースではピラトコミ北西稜の1200まで3時間、どう考えてもピークには届かない。雪のない尾根を無理に下降するのも危険過ぎる。退却だ。 見下ろせば、侵食された谷を大雪渓が埋め尽くしている。陽の当たる雪渓の際と岩盤の間は相当離れているのだろう、キラキラした滝の飛沫が次々と大きな口に飛び込んでいく。 大雪渓に戻り、少し登って本流の滝を仰ぐ。白い筋となって滑り降りる急峻な一枚岩には、手を出さないのが正解だ。 雪が残した展望台(810三股)で一息つく。沢の正面には、1807から北に伸びる屏風状の断崖が聳え立つ。国境付近はまだ冬色が抜けきっていない。 今年もまた、大胆なキセキレイに出会える季節になった。変化するのはこちらの気持だけか。 七ノ沢に戻ると、生温い風が沢を吹き下ろす。結局、「山の時間」に体が慣れる前に戻ってしまった。登れなかったピラトコミに代わって、今回は太いプクサが手土産だ。
コースタイム: 印象: 七ノ沢は670付近まで、右岸が広く均されている。どうするつもりなのか・・・
トイレ: 札内ヒュッテが最終。
数百年後には、平成の遺跡と化すだろう。
こういう圧倒的な光景も楽しい。
札内ヒュッテ前
5:00-5:25滝見橋
-5:48七ノ沢橋
5:53-6:02眺望橋
‐6:55640二股
-7:06668
7:13-7:46810
-8:50940
-9:40850
-9:50810
10:10-10:40640
-10:59眺望橋
-11:51ヒュッテ前