地形図上、途中で大きく屈曲しているガケノ沢。本流とも呼べそうな左沢(840左股)にはナメ滝記号。いつかは入ってみたかったこの沢に、W氏と二人で入渓する。
このところの異常な蒸し暑さは、明るいガケノ沢に入っても変わらない。水量は少なく、順調に進む。800を越えたあたりから、絶え間なく東へと流れる雲間から青空が覗き始める。840二股には巨岩が関所の如く鎮座し、流れを取り仕切っている。
900付近で、左岸に黒い物体が視界の端を過ぎる。体長約20cm、絶滅したカワウソのニッチを占拠するミンクとの初対面がこんな山奥になろうとは・・・


木々の繁る921二股を右に取り、いよいよ未知の世界へ。小さなナメが続いた後(970)に、10mの滝が現れる。左岸から問題なく越えた後は、白い一枚岩の河床が穿たれてできた小釜に歓声を上げつつ高度を稼ぐ。
1110には2段の>滝。流木の溜まった上段の下から振り向けば暑そうな神威岳。朝の滴を含んだ右岸の草付きが朝の光を弾き、荘厳な気分に。
小瀑をシャワークライミングで越えるうち、1230で15mの滝に直面。ここはほぼ垂直で手掛かりもないので素直に左岸から高巻く。ピパイロでの苦闘が肝を太くしてしまったのか、少々のことでは焦らない。
適当な支点がないので、下りでは薮がらみを覚悟せねば。
岩盤の割れ目が適度なホールドを提供する小沢を詰め、雪田跡の1330へ。ここで沢は四本に分かれ、右の二本はほぼ涸れている。一番左の沢に横たわるハングした「修行岩」からは水が滴り、座禅を組むには最適の岩陰となっている。
気温は30℃、薮を漕いで上に向かう気はさらさらなく、赤茶けたピパイロの南東斜面を眺めながらしばし日高談義に花を咲かせる。
水をいくら浴びても冷たくないので、下りは二箇所で懸垂下降の訓練。970の上では木陰の岩で昼寝を満喫する。豆パン岩の宝庫を下り、エサオマン本流に出るとカラスアゲハの乱舞に遭遇。久々に沢遊びを堪能した一日だった。
('04/7/31)
写真上:草も沐浴 下:優しい河原