9/14
コイカク登山口には既に4台もの車。最近はここも人気のようだ。9月の沢は歩きやすい。深くても膝下、上の函さえへつれてしまう。巻き道も心なしか以前よりも明瞭で、川の中を殆ど歩かずに進めてしまう。上二股には十足近い地下足袋だ。一体、何パーティ入っているんだ?
日高は初めてのK君に、夏尾根の登りはどう写るだろう。行く前から言い含めてはおいたが、内心申し訳ない。
大学の山仲間であるK君とは、7年振りの山行である。が、歩き始めると、そんな時間など忘れてしまうのが不思議だ。
マユミはひっそりと赤い実をつけているが、全体的な紅葉にはまだ早いようだ。行楽日和という表現がピッタリの穏かな陽気
。ピラトコミへの尾根には幾筋もの谷が皺のように刻み込まれている。
夏尾根で一番きついのは終盤の150m。展望に溺れて足を速めると途端にへばってしまうので、ゆっくりゆっくり登る。徐々に曇ってきて、1823も隠れてしまった。
夏尾根頭到着。南側の展望はまずますだ。無人のテントが一張り。
ヤオロまでは風も弱く、快適だ。振り向くとコイカクのテントが増えている。他人を気にしながら歩いてもちっとも面白くない。
ヤオロ手前では、8人の中高年パーティを追い抜く。この狭い稜線のどこに泊まるのだろう?ともあれ、ヤオロ直下に幕営し、K君も無事到着。上がってくるガスに写るブロッケンを見るのは初めてだと言う。
心配だった水も、ヤオロマップ左沢源頭に200m強下ったら少し流れていたので一安心。
テントでは、学生時代の思い出話に花が咲く。夕方からは本格的に掻き曇り、にわか雨も降る。明日は曇りのようだ。
コイカク登山口5:30-7:00上二股7:35-9:1013059:25-10:30夏尾根頭11:15-13:00ヤオロ
9/15
ガスは少し晴れてきた。晴天ではないが39へ向かう。ヤオロの西にも2張り分のスペースがあり、これで昨日の謎が解けた。1781まではほぼ平坦だがガスで眺めがない。ここから一気に100mの下り。コルのサッシビチャリ側にはようやく掘り返しのお出ましだ。予想外にしっかりしたトレースだ。
K君が汗だくになっている。少しペースを落とし、その先のアップダウンを繰り返す。雪の時期には体力を使いそうだ。
ガスの切れ間から覗くのは1770で、1839本峰はなかなか全貌を現さないが、コイカクからこちらへ向かう人の姿は見えてきた。
一日ゆっくり使えるので、休憩もし放題だ。一瞬、ソエマツまで南方の展望が開けて得した気分になる。39にかかるガスはほぼ切れた。1770から下って、最後の登りだ。この辺は風が弱いのか、1800位までカンバが稜線上を覆っている。一箇所、崩れやすい岩場をクリアするとピークはすぐそこだ。
案外広い山頂は風も弱く居心地がよい。初めは曇っていた1823、ピラミッド、札内が浮かび上がる。エクウチカウシは不機嫌だ。南に目を転じれば、シビチャリ山に抱かれたどっしりしたカールだ。それにしても、ピーク裏に残された排泄紙が見苦しい。
帰路の途中、ナナシ沢に虹がかかる。滅多に見られない光景に酔う。やがて空からは冷たい雨が落ち始め、急いでテントに戻る。
ヤオロマップ左沢源頭の1500付近で水を汲み、午後はのんびり過ごす。大雨警報が心配だが、今更どうしようもない。
雨は夕方には止み、夜には物凄い星空が現れた。
ヤオロ6:50-8:1017028:25-9:35183910:25-11:50178112:10-12:30ヤオロ
9/16
静かな朝焼けの後、東から雲海が押し寄せてきた。昨日とは正反対で、国境の西側だけが見渡せる。コイカクまでゆっくり噛み締めるように歩く。荷も軽く、足取りも軽快。秋の陽光を浴びて白く輝くカンバの幹が眩しい。
あとは蒸し暑い夏尾根を駆け下り、コイカク川を戻るのみ。
ヤオロ7:20-9:10コイカク9:35-11:25上二股12:00-13:45コイカク登山口
('02/9/14〜16)
写真上:国境南望 中:光の幻想 下:柔らかい朝