習性を理解してクマづきあいを

ちょっとクマに譲ってみませんか?


山坊主


 今年もヒグマの人里への出没が伝えられる季節がやってきた。特にこの秋は餌となるミズナラやコクワの不作が伝えられており、行政や報道ではキノコ採りなどで入林する際には十分な注意を、と呼びかけている。

 これまで人身事故の多くは至近距離での遭遇時に起こっており、鳴り物を使うなどしてクマとの接近を避けるに越したことはない。でも、他の食物にも恵まれている僕ら人間に対し、川を遡上する鮭を「孵化」の名目で根こそぎ奪われた彼らは、冬ごもりを前に生き延びられるかどうかの瀬戸際に立たされている。そこで、「今年はキノコ採りで山に入るのを我慢しよう」とちょっとクマに譲ってみてはどうか。

 道内には約2000頭のヒグマが生息しているが、(猟師以外の)一般人が襲われる事故は1年に約1件程度で、凶悪犯扱いは不当とも言える。僕らはクマについてもっとよく学ばなければならない。

 世界遺産に登録された知床では寄付を元に森林を再生する「100平方メートル運動」が、また本州各地ではクマの住める林を育てる運動が行われている。こうした事例を参考に、「豊かな自然の象徴としてのヒグマ」と人間の共存を図る動きを北海道全体に広げられないだろうか。

(北海道新聞2005.10.13読者の声に掲載=原文)