習性を理解してクマづきあいを

習性を理解してクマづきあいを


山坊主


 今年も、春を迎え頻繁にヒグマの出没が報じられている。不幸にも、目撃されたクマ の多くが駆除(射殺)されている。しかし、本当にクマを射殺する必要があるのだろ うか。

 自然への感謝や畏敬の念が篤いアイヌの人々の間では、「神の霊がクマの姿を借り、 人間の世界に遊びに来る」と信じられている。一方、私たちの周囲では、家庭やキャ ンプから出た生ゴミの放置・空き缶ポイ捨てによって餌付けされたクマが、危険とみ なされ結果的に駆除されている。

 知床半島のある番屋では、徹底してゴミを管理している。漁師さんたちの働く浜辺 に、クマが餌を探しに来るが、番屋には被害は起こらない。漁師さん曰く、「人も動 物も生活しているのは同じ。調和していかなければならない。」また、アラスカに は、「無益で無害な人間」という意識をクマに植え付けた結果、鮭を捕らえるクマを 間近に観察できる川がある。

 このように、習性を理解すればヒグマは危険ではない。多少の不自由は人づきあいで もつきものだ。クマづきあいにおいても、自分の都合だけを振り回すのはやめよう。 山菜取りなどで野山に入る際には、クマの餌を取りに彼らの生活域に入り込んでい る、という意識を持とう。

(北海道新聞2001.5.25読者の声に掲載=原文)