21日づけ本紙で、着工から17年を経て、未だ完成のメドが立たない日高横断道路が取り上げられた。1200億円という総工費には驚きを禁じえない。
私は登山者として、四季を通じて日高山脈を訪れるが、この道を利用するたび、ゆったり流れる札内川の幽遠な雰囲気とは正反対の立派な舗装道路や橋に違和感を覚える。同時に、便利さに浸りきっている自分を省みる。
日高山脈は、日本に残された最後の広大な「手つかずの自然」だ。原始の自然は欧米では大変貴重とされる。一度道路で分断してしまえば、私たちがかけがえのない財産を失うことは明らかだ。ここでは、「近さ・速さ」より多少不便でも「原始の自然」に価値を置き、誇りを持ってもよいのではないか。
地元は工事の中止を懸念している、とのことだが、既存道路の遊歩道化など、自然共生型の活用は可能だろう。そして、登山者の協力も取り入れて、自然学校やビジターセンターなど、日高の原始性を学ぶ機会をもっと増やそう。
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