冬至の今日は、日勝峠からペケレベツを目指す。ここは、一度門前払いを食らった曰く付きの山だ。(バッテリー上がりで出発できなかっただけだが。) 気温-13℃、天気は上々だ。早速日勝トンネル日高口横から斜面に上がる。
久々のシール登行だが、案外スムーズだ。東の空が赤くなる。それに呼応して、神々の稜が薄紅色に染まる。悠久の時の流れに対し、何と自分はちっぽけなことか。
岩場やハイマツ、樹林が混み合う国境よりも1445(通称日勝ピーク)経由が近いらしい。ピークへは、広くなだらかな斜面だ。降雪後なのか、雪の締まり具合も丁度いい塩梅。背後の雲間からは、峠の北へと続く稜線が覗く。黙々と標高差400mを稼ぎ、ピークに立つ。
ペケレは雲の中だが、朝日を浴びるモンスター達の間に煌くダイアモンドダストに、しばし呆然。自分には現実離れした光景に見えるが、自然の営為の一コマに過ぎないのだろう。ピークから南斜面は快適だ。少し下ると立派なトドマツ帯。滑降は苦手なので、当然シール付きである。
気持ち良く下りすぎた(1070)ためか、沢には心許ないブリッジがかかるのみ。案の定、渡る途中で崩れ、至急板を外して対岸に突き刺す。ほうほうの体とは正にこのこと。もう一本南の沢(1080)は慎重に渡りきり、ペケレ北西斜面に取り付く。
先ほどまでの青い空に、いつしか雪雲が去来している。この時期だから仕方ない。この斜面も比較的緩やかで広く、スキー登行向けだ。
1300過ぎで西尾根と合流。この先は地図の通り、50m程なだらかだ。徐々に左手の国境稜線が近づく。ハイマツ帯が出現し、クラストし始めた1400付近からはスキーアイゼン装着。西風も強くなってきた。
吹きさらしを避け、1470まで樹林帯を縫ってから国境稜線に合流。折悪しく、雲の中だ。雪庇は思ったほど大きくない。
ペケレ直下はハイマツ帯の完全なクラストだが、履き替えが面倒なのでスキーで強引に登る。頂上からの展望は南西尾根位。風はこんなものか。体温低下が手に取るようにわかるので、すぐに直下まで下る。
時々射す弱い冬日に樹氷が映えるが、全体に視界が悪くなってきたので、そそくさと往路を滑降。行きよりも上流で二つの沢を越し、振り返るとすっかりペケレは遠くなっている。
久々のスキーで痙攣気味の大腿四等筋をだましながら、最後の300m登行。針葉樹林帯がやけに長く感じられる。カンバとハイマツがほぼ同時に現れ、吹雪の中大きな岩が連なる日勝ピークに立つ。エンジン音が聞こえ、少し安心する。
空が明るくなってきたので、最後の下りでは、シールを外してスキーの練習だ。人が見ればかなり不恰好だろう。右手には既に茜色の十勝平野が広がる。駐車場に着いて見上げた日勝ピークの上には、澄んだ空が広がっていた。
('02/12/22)
写真上:冬の夜明けは癒し系 下:煌き