NO.42

百變星君

Sixty Million Dollar Man

1995年

『ミラクルマスクマン/恋の大変身』(1997年日本公開)
廣東語:Baak Bin Sing Gwan
監督:葉偉民(イップ・ワイマン)、王晶(バリー・ウオン)
脚本:王晶(バリー・ウオン)
製作:向華強(チャールズ・ヒョン)、蔡松林(ツアイ・ム・ホ)
撮影:劉偉強(アンドリュー・ラウ)
美術:何剣雄(ホー・ホンキン)
製作会社:永盛電影公司(香港)
香港公開:95年8月19日

出演:周星馳(チャウ・シンチー)、呉孟逹(ン・マンタ)、除錦江(チョイ・ガムコン)、梁詠[王其](ジジ・リョン)、孫佳君

☆(解説)
冒頭のタイトルでぼか〜んと「王晶・周星馳」ってタイトルが出るように、久しぶりに王晶と星仔が組んだ作品として宣伝され、コケた「回魂夜」の不振を吹き飛ばすように香港では大ヒット。
実際は王家衛等の香港映画パロディ映画「珠光賽気」(これもかなりとほほな映画)の監督、葉偉民が監督を担当し、意外なこと?に「欲望の街」シリーズの監督、劉偉強が撮影監督に当たっている。
映画は「マスク」がヒットしたころに作られたぱくりもんですが、この映画の売りとして、SFXと星仔の合成があるものの、変身後の着ぐるみのやすっぽさは、意図的とはいえかなりとほほとなる映画です。
劇中いろんな日用品に変身しますが、ラストに変身するおばちゃんは、香港の大手スーパーマーケットのコマーシャルに出てくる女性のパロディだとか

☆(ちょっと物語)
大金持ちの息子でプレイボーイでボンボンのシン(周星馳(チャウ・シンチー))は、実は使用人の執事(呉孟逹(ン・マンタ))の息子だった。ある日、日本ヤクザの女とデートしたことがバレて命をねらわれ、体がずたずたに、、脳の機能と口だけが残る。
そこをいつもいじめていた幼馴染みのチュン(梁詠[王其](ジジ・リョン))の父のマッドサイエンティスト(除錦江(チョイ・ガムコン))が大手術+リハビリの末、もとおどおり回復に、、
しかし、その手術によって彼は自分を自在に変身させる特殊なからだとなっていたのだった。

★(感想)
以前VCDで字幕無しでこの映画を観ました。期待が大きかっただけに、最近の星仔の映画のなかでもかなりとほほと思える仕上がりにがっくりきたような気がしましたが、今回の日本公開にあたって字幕付を観ることができて、その時よりは楽しめたものの、全体の印象はやはり同じような感じでした。
ベタすぎるギャグの数々、、、(特に前半がひどい)
呉孟逹と星仔の関係とか、星仔の体に日用品カタログのデータを入力しているとか、なるほど、そういうことだったんかというのはあったもののの、、 
まずひとつに星仔が元気無いように感じるんですね、、これは同じ頃の「回魂夜」もそうでしたが、 やはり自分がかかわる映画製作を始めたころに、こういったいかにも王晶的な映画の撮影ちょっときつかったのかなと推測したりとか、、。
前半の星仔が嫌な金持ち息子を演じていますが、なんとなく後半になってもあまりに悪ガキの星仔とそのいたずらを助ける呉孟逹の設定からすると変わりように無理がありすぎたように感じました。
場面によってはかなり笑える所もあり、ラストのおばちゃんのくだりでは劇場でもかなり爆笑を起こしていました。元ネタを知らなくてもおもしろいものはおもしろいってことでは無いでしょうか、、
梁詠[王其]は、劉徳華の「フルスロットル/烈火戦車」と同じくかなり地味な印象というか、よくぞあんな度付眼鏡かけて矯正歯で腰くだけ演技もするし、後半変わるのを観ると、凄いです。
割り切って観てしまえば、それなりに笑えるし楽しめる映画かもしれません。

★★★

備考

1995年香港映画興行収入第3位
35,236,551香港ドル

関連リンク
Sixty Million Dollar Man (8/1995) [Actor](Hong Kong Cinema)

Bai bian xing jun (1995)(IMDb)

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