NO.38

國産凌凌漆

From Beijing With Love

1994年

『0061北京より愛を込めて』(1996年日本公開)
廣東語:Gwok Chaan Ling Ling Chat
監督:周星馳(チャウ・シンチー)、李力持(リー・リクチ)
脚本:周星馳、李力持、谷徳昭(ビンセント・コック)
製作総指揮:向華強(チャールズ・ヒョン)、向華勝(ジミー・ヒョン)
製作羅國強(ロー・コッキョン)
撮影:李健持(リー・ケンキョン)
音楽:胡偉立(ウー・ワーイラッ)
製作会社:永盛電影公司(香港)
香港公開:95年9月17日

出演: 周星馳(チャウ・シンチー)、袁詠儀(アニタ・ユン)、羅家英(ロー・カーウイン) 、黄錦江(ウイ・カムコン)、陳賽蓮(チャン・ポーリン)

☆(解説)
始めて監督として星仔が正式にクレジットされた記念すべき映画。
日本ではふざけたタイトル(笑)になってしまいましたが、原題の「凌凌漆」っていうのは007の発音と同じらしく、そこからも判る通りジェームス・ボンドシリーズのパロディですが、当時香港では「ジュラシックパーク」が馬鹿当たりしており、その要素もからめたようです。音楽も、、「ええんかなあ」っていうギリギリのジョン・バリー風(笑)
なんでもこの映画結構中國を茶花しているので、本土の逆鱗にふれたらしいですね、、う〜ん洒落がわからんといいうか、、(笑)
劇中星仔が煙草を口にくっつけたままピアノの弾き語りをするシーン!は、残念ながら吹き替えとのこと。ちなみに歌は「李香蘭」で張學友(ジャッキー・チュン)のナンバーですが、元歌は玉置浩二の曲だそうです。

☆(ちょっと物語)
恐竜の化石紛失事件を追ってたスパイが殺されたので、国からずっとほされていて今では屋台の肉屋をやっているリンリンチャイ(周星馳(チャウ・シンチー))が選ばれた。
強力者としてあらわれた女スパイ(袁詠儀(アニタ・ユン))は、陰謀により実は彼の命を狙っていたのだった、、。

★(感想)
最初に星仔の映画を観るんだったら、この映画が一番いいかもしれません。
007をパロディにしたのタイトルバックから馬鹿馬鹿しいことこのうえない展開、、マティーニが好きな素敵な肉屋(笑)でもアメリカの大馬鹿映画と違うのは、物語としてしっかり作られていることです。「たよりないと思ってた男がだんだんと頼りになるようにみえてくる」「パロディをふんだんに」「アクションもふんだんに」っていう星仔映画の基本?パターンが全部盛り込まれてますし、、いろんな映画のパロディが出てきますが、香港映画良く観てる人でないと、ちょっと判りづらいものも確かにあります。
映画としてかなり脚本、そして展開全てが今までの星仔映画よりもレベルが高くなっている、、というか、手抜きが感じられないように思いました。
この映画、始めて星仔が監督としてクレジット(共同監督李力持)されたものですが、これまでと違って、逆にかなり癖のある主人公を演じています。普通ハリウッドの大スターとかなら、自分の作品になるとかなりいい役をやりますが、ちょっと今までの星仔映画のキャラクターとは一味も二味も違う主人公ですね。
最初観たときには、ショッピングセンターの殺戮シーンとか、袁詠儀のピストル暴発シーンとか、コメディの割に、結構描写が生生しいと思いましたが、,
例えばそのシーンで、前半でナイフ投げを失敗したのかなっていうギャグのシーンが実は、、、って展開になっていて、あの作り方とても好きです。
ラストのNG集に出てくる火事のシーンが本編には一切出てこないんですが、全体を考えてあんまりくどいのでカットしたとのこと。例のパーティ潜入シーンで秘密兵器アタッシュケースで「ひとっ飛び〜!!」のギャグで、遠いところまで行き過ぎてタクシーで戻ってくるってギャグもカットされてます(笑)
何度観ても笑える映画、、保証します!続編は「008皇帝ミッション」ですが何故か古装片となります。
★★★★☆

備考

第14回香港電影金像奨(1995)
最佳男主角(主演男優賞)ノミネート:周星馳
最佳男配角(助演男優賞)ノミネート:羅家英

1994年香港映画興行収入第3位
37,523,850香港ドル

95年9月26日 東京国際ファンタスティック映画祭にて上映

関連リンク
From Beijing with Love (10/1994) [Actor] [Dir] [Writer](Hong Kong Cinema)

Guo chan Ling Ling Qi (1994)(IMDb)

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