NO.44

食神

The God Of Cookery

1996年

『食神』(1997年日本公開)

廣東語:Sik San
監督:周星馳(チャウ・シンチー)、李力持(リー・リクチ)
脚本:周星馳(チャウ・シンチー)、曾謹昌(K.C.ツアン)、労文生(ロウ・マンセン)
製作:楊國輝
撮影:馬楚成
音楽:許願(クレランス・ホイ)
美術:梁華生
衣装:葵彦文
武術指導:番健君
製作会社:星輝海外有限公司(香港)
香港公開:96年12月

出演:周星馳(チャウ・シンチー)、莫文蔚(カレン・モク)、呉孟逹(ン・マンタ)、羅家英(ロー・カーウイン)、谷徳昭(ビンセント・コック)、劉以達(タッツ・ラウ)

☆(解説)
星仔が自分の監督作で選んだ次なる題材は「食」。
96年の興行収入では、成龍の「ファイナル・プロジェクト」に1位は譲ったものの堂々の2位につけている。
今回も、李力持監督との共同作業でとても面白い映画として仕上がっている。「0061」「008」あたりから、スタッフ、キャストも星仔組といった同じ顔触れが見受けられる。
映画の中の料理は、風水料理の大家として有名な陣東氏が指導にあたっている。

☆(ちょっと物語)
香港きっての名料理人(周星馳)は、「食神」として世間では有名であった。しかし、実際はチェーン展開に熱心だったり、料理対決がやらせだったり結構腹黒い男。
しかし、悪徳企業家(呉孟逹)と彼の手下の料理人にまんまとはめられ、料理会から追放されてしまう。そこで出会ったのが屋台の女(莫文蔚)。彼は、この女と一緒に「爆発!小便団子」を開発、、いっきに巻き返しをはかるが、料理勉強に中国へわたったはずが、陰謀のせいもあって、何故か「少林寺」の厨房で修行してくるのだが、、ほんとの「食神」の実力とは? 

★(感想)
「百變星君」みたいなちょっとう〜んって近作もあったんで、結構どきどき?して観ましたが、これも傑作に仕上がっていました.。
やはり周星馳が製作に携わった映画は、出来具合が格段に良いと思います。
莫文蔚は、「回魂夜」で丸坊主になったかと思えば、今度は最初誰かと思うほど、えげつないメイクで登場。この映画、シンチーの映画であると共に、莫文蔚の映画でもあるのだ。ふつうだったら、途中で奇麗な彼女に変えてしまうところを、この映画はそんなヤワなことはいたしません(笑)。
映画の前半は「なんて嫌なやつ」っていうイメージを結構強く醸し出していて、シンチーのブラックな演技は「0061北京より愛を込めて」に近いかな?なんせまたあのブルース・リーのレイヴァンの サングラスかけてるし、あのグラサンすると、普通の人でもちょっと嫌味に見えてしまいますよね。
かなり、物語を丁寧に見せていく途中で、意表をついたギャグの嵐。
運良く京都での初上映で観れたんですが、もう劇場は爆笑につぐ爆笑で凄かったです。周星馳の映画の良いところは、あんまりくどくどギャグをやらないで、一瞬で次に行くところ、、それとは別に、例の「くりかえしギャグ」は今回もあって大笑いしましたが、、。
ちょっとだけ残念な点はラストかな、、。あれだけひっぱっといた割には結構とってつけたような終わり方をするので、、、
とにかく、おもしろい映画ですが、「大作」ってのと違って、わりと気楽に観れて、しかもたくさんの人が楽しめる映画、、さすが周星馳です。次の映画にまた期待がふくらみました。
それにしても、この映画と「チャイニーズ・オディッセイ」(「天使の涙」でもいいが)なんぞを続けて観たら、カレン・モクって凄いって思うに違いありません。
★★★★☆

備考

1996年香港映画興行収入第2位
36,331,540香港ドル

関連リンク
God of Cookery [Actor] [Dir] [Writer](Hong Kong Cinema)

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