When The Pawn/Fiona Apple
1999

フィオナ・アップル/真実
SRCS-2188 Sony
  1. On The Bound
  2. To Your Love
  3. Limp
  4. Love Ridden
  5. Paper Bag
  6. A Mystake
  7. Fast As You Can
  8. The Way Things Are
  9. Get Gone
  10. I Know
  11. Across The Universe(bonus for Japan)
  12. Never Is Promise(Live,bonus for japan)

2000年5月の大阪厚生年金会館、、、ラッキーなことに最前列のチケットが手に入った。
その直前のニューヨーク公演では、PAの悪さでモニターが聞こえず、コンサートが始まって30分程度で 泣き出して演奏を中止してしまった、、、そんな話が耳に入ってたので、ほんとにやるんだろうか、、 などと思っていると、、いつのまにやらふらっと現れてピアノにちょこっと座った フィオナ。観客へのアピール全然無し。で、このアルバムの1曲目 On The Boundのイントロを弾き始めたのだが、あんなちっちゃい体で、ピアノから出す音は重くてパーカッシブな音。それに絞り出すように歌う声はあの顔からはちょっと想像つかない、アルバム通りのずっしりとした歌である。かと思うと、Faster As You canは別人のように 立って、狂ったように踊りながら歌う、、、、終止歓声があがると「えっ??」みたいに観客の方を 向くけど、完全に自分の世界に入り込んでいるようで、とても印象深いライブだった。
彼女の場合、私的な歌詞、、それも絶えず語りかける誰かに対して少し怒りを込めて 語りかけているような歌詞が多く、この2枚目のアルバムもそんな雰囲気。実は、僕は 日本盤にはオマケで入ってる「Across The Universe」を「カラー・オブ・ハート」(傑作です) という映画のエンドタイトルで流れるのを聞いて、一発でやられてしまったのだった。前の Tidalも良かったけど、新作の方がより音楽的にも成長しているようにう感じる。
その「アクロス・ザ・ユニバース」もジョンが歌っていたのも大好きだが、フィオナ版はさらに じっくりと歌っている、、、そんな感じがしていつ聴いてもどーしても手をとめてしまうのである。
Limpという曲のスティーブ・ガッド風ドラムパートはツボはまりまくりだし、 Fast as you Canもドライなドラムの音にピアノリフがのっかる音でとても気持ちいい。
彼女が映画監督ポール・トーマス・アンダーソン監督の彼女である事は有名だが、彼の傑作 「マグノリア」とこのアルバムの制作がほぼ同時期だったようである。あの映画も人の真相心理をとても 深く掘り下げた映画だったが、途中音楽的要素、、ミュージカルではないのに、出演者が突如ある曲を 歌い出す凄い素敵な場面があるが、その音楽を手掛けているエイミ−・マンとは家族ぐるみのつきあいとか。 現にアルバムのジャケットの最後には一ページまるまる使って「pta」という文字(彼のイニシャル)が 刻まれている、、、知らん人は何のことかわからないですね、これ。
彼の映画のテーマとも似ているのだが、常に純粋さを失わない、、、物事に干渉されずに、真実を 見極める事の大切さを歌っている気がする。
因にこのアルバムの実際のタイトルはとても長くて下記のようなもの、、

戦場に赴く歩兵は
王様のように考え
るの
戦いの中では 知識こそがとどめをさせるから
そして彼はリングに上がらすとも
既に勝利を手に入れている
知性を武器にしたとき
叩きのめす相手など存在しないのだから
だから独りで歩き出すときには
自分を信じて
自分を深めることだけが、頂上へと導いてくれるのだと覚えていなさい
そして自分が何処に立っているかを分かっていれば
何処に向かえばいいかも分かるはず
もしも途中でつまずいたとしても、大したことじゃない
だってあなたの中にこそ"真実"はあるのだから


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